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2020年11月 9日 (月)

景気動向指数は4か月連続で改善を示す!!!

本日、内閣府から9月の景気動向指数が公表されています。CI先行指数は前月から+4.4ポイント上昇して92.9を、また、CI一致指数も前月から+1.4ポイント上昇して80.8を、それぞれ記録しています。統計作成官庁である内閣府による基調判断は、先々月の8月統計まで12か月連続で「悪化」だったんですが、先月の8月統計から「下げ止まり」に上方修正され、今月の基調判断は据え置かれています。まず、統計のヘッドラインを手短に報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

9月の景気一致指数、1.4ポイント上昇
内閣府が9日発表した9月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.4ポイント上昇の80.8となった。数カ月後の景気を示す先行指数は4.4ポイント上昇の92.9だった。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「下げ止まり」に据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しているんですが、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に認定しています。

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CI一致指数を個別系列の寄与度に従って詳しく見ると、耐久消費財出荷指数が+0.52ポイント、生産指数(鉱工業)が+0.45ポイント、鉱工業用生産財出荷指数が+0.44ポイントと、生産や出荷の指標が高いプラス寄与を示している一方で、商業販売額(小売業)(前年同月比)や有効求人倍率(除学卒)などがマイナス寄与となっています。所定外労働時間指数(調査産業計)もわずかにマイナス寄与ですし、景気回復初期のことでどうしようもありませんが、企業部門の伸びが景気を牽引し、家計部門はまだ小売や雇用の指標を見る限り回復には遠い印象です。ただし、CI先行指数に採用されている消費者態度指数は+1.25と10月統計の先行指数への最大のプラス寄与を示していて、消費者マインドは上向きです。明日午後には景気ウォッチャーも公表予定ですので、消費者マインドの詳細情報が得られるものと私は期待しています。
ということで、繰り返しになりますが、先月の統計公表時に「悪化」から「下げ止まり」に上方修正された基調判断は据え置かれています。他方、先々週の金曜日10月30日に明らかにされた景気動向指数を予測する第一生命経済研のリポートでは、「仮に今後も順調に景気の持ち直しが続き、CI一致指数も上昇傾向で推移するのであれば、12月分で『上方への局面変化』へと基調判断が上方修正、さらに翌21年1月分では『改善』に上方修正される可能性が高い」と指摘しています。でも、このリポートでは、9月の景気動向指数CI一致指数を前月差+1.3ポイントと、これだけ算定方法の透明性高い統計で計算間違いしており、信頼性がどこまであるかはビミョーです。

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