新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの経済的帰結やいかに?
大学の授業の準備をしています。実は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の観点から、最終回の定期試験が許されておらずリポート提出になりますので、それに当てるべき回は授業をしなければなりません。ということで、最終回の授業は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの経済的帰結を取り上げることにしました。来年2021年1月の授業ですので、まだ、アップデートする可能性は十分ありますが、もっとも重要なCOVID-19の経済的帰結のひとつは だと私は考えていて、現時点で以下のような教材をピックアップして授業資料作成に励んでいます。
- IMF Blog: Teleworking is Not Working for the Poor, the Young, and the Women (Mariya Brussevich, Era Dabla-Norris, and Salma Khalid) July 7, 2020
- Brookings Institution: Why are Blacks dying at higher rates from COVID-19? (Rashawn Ray) April 9, 2020
- Brookings Institution: Race gaps in COVID-19 deaths are even bigger than they appear (Tiffany N. Ford, Sarah Reber, and Richard V. Reeves) June 16, 2020
- Institute for Policy Studies: U.S. Billionaires Wealth Surges $931 Billion since Beginning of Pandemic (Chuck Collins) October 20, 2020
最初の IMF Blog はすでに7月16日付けで取り上げているので省略することとし、Brookings Institution の Why are Blacks dying at higher rates from COVID-19? (Rashawn Ray) April 9, 2020 から COVID-19 Diagnoses for Blacks by State を引用すると上の通りです。ミシガン州では週全体のCOVID-19陽性率が15%ですが、黒人の間では35%に上っています。ほかにも、イリノイ州では16%と30%のように、黒人の陽性率が州平均より高くなっています。また、グラフはありませんが、ルイジアナ州では黒人は州人口の⅓程なんですが、COVID-19による死者の70%を占め、多くがニュー・オーリンズに集中していると指摘していたりもします。
続いて、Brookings Institution の Race gaps in COVID-19 deaths are even bigger than they appear (Tiffany N. Ford, Sarah Reber, and Richard V. Reeves) June 16, 2020 から Figure 1. COVID-19 death rates by age and race を引用すると上の通りです。Figure 2 では中年層に的を絞ったグラフがあるんですが、いずれにせよ、アジア人は分類に含まれていないながら、白人・黒人・ヒスパニックの人種別に分類すると、10万人当たりのCOVID-19による死者数で黒人が群を抜いているのが見て取れます。
最後に、Institute for Policy Studies の U.S. Billionaires Wealth Surges $931 Billion since Beginning of Pandemic (Chuck Collins) October 20, 2020 から Wealth of U.S. Billionaires Grows $931 Billion (32%) in 7 Months を引用すると上の通りです。アマゾンのジェフ・ベゾスCEOをはじめとして、話題のGAFAなんかの経営者がCOVID-19によるインターネット通販や在宅勤務の拡大、あるいは、在宅時間が長くなってSNSの利用が増加したことなどから、軒並み資産を大幅に増加させています。ただし、ひとつだけ注釈があって、ウォルマートの3人が入っているのは創業者の死亡による相続ではないか、ということのようです。でも、食品販売などのエッセンシャル・セクターを担うウォルマートも儲かっているのかもしれません。
ということで、オリジナルの情報はまったくないんですが、こういった海外情報を取りまとめるのもこのブログの特徴のひとつですし、大学の授業からのスピルオーバーでもあります。
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