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2021年1月27日 (水)

リクルートジョブズによる昨年2020年12月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?

本日は、お昼に国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し改定」のブログをポストしましたので、先月に続いて今月もリクルートワークスの平均時給調査の結果はパスしようかと考えないでもなかったんですが、2か月連続のパスは避けたいと思わないでもなく、今週金曜日明後日の1月29日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートジョブズによる昨年2020年12月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。

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アルバイト・パートの時給の方は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響などにより、ジワジワと停滞感を増していて、11月にはとうとう前年同月比で+0.7%増まで上昇幅が縮小た後、12月になって+1.0%増にやや盛り返したのは上のグラフで見て取れると思います。他方、派遣スタッフの方は5月以降のデータが跳ねています。上のグラフの通り、11月にはとうとう前年同月比で+5.8%増に達し、12月にも+5.1%増を記録しています。派遣スタッフの時給の方は、どうやらCOVID-19に伴う正社員の代替需要のような気がします。ただし、正確には現時点で判断するのはややムリで、何があったのかは私には判りかねます。
まず、アルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は繰り返しになりますが、12月には+1。0%増の伸びまで縮小し、人手不足がメディアで盛んに報じられていた昨年暮れあたりの+3%を超える伸び率から比べるとかなり低下してきています。三大都市圏の12月度平均時給は前年同月より+1.0%、+11円増加の1,100円を記録しています。職種別では「事務系」(+30円、+2.7%)、「専門職系」(+30円、+2.5%)の2職種だけが増加を示し、「営業系」(△5円、△0.4%)、「販売・サービス系」(▲5円、▲0.5%)、「製造・物流・清掃系」(△8円、△0.7%)、「フード系」(▲11円、▲1.1%)の4職種で減少となっています。「フード系」が減少幅大きいのは、まさに、COVID-19の感染拡大の影響だと考えるべきです。「事務系」では電話対応が伸びており、これもCOVID-19の影響だと考えられます。「専門職系」では塾講師が+305円、+23.4%増と大きな伸びを見せています。地域別でも、首都圏・東海・関西のすべてのエリアで前年同月比プラスを記録しています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、昨年2020年4月統計まで1年近く連続して前年同月比マイナスを続けた後、5月以降は大きく増加し、12月も+83円増加、+5.1%増の1,713円に達しています。職種別では、「IT・技術系」(+45円、+2.1%)、「クリエイティブ系」(+32円、+1.8%)、「医療介護・教育系」(+16円、+1.1%)、「営業・販売・サービス系」(+4円、+0.3%)の4職種が前年同月比プラスとなり、マイナスは「オフィスワーク系」(▲9円、▲0.6%)だけにとどまっています。なお、12月統計で「営業・販売・サービス系」のうちの旅行関連が+61円、+4.2%増を記録していますが、GoToトラベルが大きく縮小されていますので、1月統計ではどこまで伸びるかは疑問です。ただ、地域別では関東・東海でプラス、関西でマイナスを記録しています。
1年近く前年同月比マイナスを続けてきた派遣スタッフの時給が5月からジャンプしたのですが、アルバイト・パートの時給上昇率はジワジワと停滞し始めていますし、2008~09年のリーマン・ショック後の雇用動向を見た経験からも、COVID-19の経済的な影響は5月ころに底を打ったように見えるものの、雇用については典型的には失業率などで景気動向に遅行するケースが少なくないことから、先行き、非正規雇用の労働市場は悪化が進む可能性がまだ残されていると覚悟すべきです。同時に、相反することながら、意外と底堅いという印象もあります。この底堅さが、昨日の企業向けサービス価格指数(SPPI)の動きの背景をなしているのではないか、という気もします。

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