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2021年1月15日 (金)

2021年最初の「さくらリポート」に見る地方経済やいかに?

昨日、日銀支店長会議にて「さくらリポート」(2021年1月) が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもポストされています。各地域の景気の総括判断と前回との比較は下のテーブルの通りで、北海道の景気判断は下方修正された一方で、北陸、四国、九州・沖縄で景気判断が引き上げられています。その他のブロックでは据え置かれています。このブログでは暫定的に昨年2020年5月、ないし、4~6月期を景気の底と認定していますが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大はまだ終息していないように見える一方で、地域の景気は上向いているところが多くなっています。

 【2020年7月判断】前回との比較【2020年10月判断】
北海道新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開するもとで、持ち直しつつある新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあり、足もとでは持ち直しのペースが鈍化している
東北厳しい状態にあるが、持ち直しの動きがみられている厳しい状態にあるが、持ち直しの動きがみられている
北陸下げ止まっているものの、厳しい状態にある厳しい状態にあるが、持ち直しつつある
関東甲信越内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開するもとで、持ち直しつつある引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。ただし、足もとではサービス消費を中心に感染症の再拡大の影響がみられている
東海厳しい状態が続く中でも、持ち直している厳しい状態が続く中でも、持ち直している
近畿新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状態にあるが、足もとでは、持ち直しの動きがみられる新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状態にあるが、全体として持ち直しの動きが続いている
中国新型コロナウイルス感染症の影響から、厳しい状態が続いているものの、持ち直しの動きがみられている新型コロナウイルス感染症の影響から、依然として厳しい状態にあるが、持ち直しの動きが続いている
四国新型コロナウイルス感染症の影響から、弱い動きが続いている新型コロナウイルス感染症の影響から一部に足踏み感もあるが、全体としては持ち直しの動きがみられている
九州・沖縄持ち直しの動きがみられるものの、厳しい状態にある厳しい状態にあるものの、持ち直しつつある

前回、昨年2020年10月時点でのリポートでは、四国ブロックを唯一の例外として、その他の地域はすべて景気判断が改善を示していましたが、さすがに、年末からの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の急速な感染拡大を受けて、地域経済の回復にもブレーキがかかった格好です。もともと、COVID-19の影響からの景気の回復は決してV字回復ではなく、かなりの時間を要すると考えられていましたので、大きなサプライズはありません。ただし、この「さくらリポート」は景気の総括判断だけではなく、需要などのコンポーネントとして、公共投資、設備投資、個人消費、住宅投資、生産、雇用・所得についても、同じように判断が示されていますが、設備投資、個人消費、住宅投資の3つのGDPコンポーネントについては全体的に弱い動きが続いている印象ですが、生産については持ち直しないし増加という方向が報告されており、輸出主導の形となっている可能性が示唆されている、と私は受け止めています。ただし、昨年末から日本だけでなく欧州などでもCOVID-19感染拡大防止のためのロックダウン措置が広がっており、輸出が景気拡大を牽引するかどうかは、かなり不確実性が高い、といわざるを得ません。

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