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2021年1月28日 (木)

2020年12月の商業販売統計に見る小売業販売額はコロナ禍で伸び悩み!!!

本日、経済産業省から昨年2020年12月の商業販売統計が公表されています。統計のヘッドラインとなる小売販売額は季節調整していない原系列の統計で前年同月比▲0.3%減の14兆4340億円、季節調整済み指数では前月から▲0.8%の低下を記録しています。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の第3波の感染拡大による影響と考えるべきです。日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを簡潔に報じる記事を引用すると以下の通りです。

20年12月の小売販売額、0.3%減
経済産業省が28日発表した2020年12月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比0.3%減の14兆4340億円だった。
大型小売店の販売額については、百貨店とスーパーの合計が3.4%減の2兆1033億円だった。既存店ベースでは3.5%減だった。
コンビニエンスストアの販売額は3.8%減の1兆234億円だった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、商業販売統計のグラフは下の通りです。上のパネルは季節調整していない小売販売額の前年同月比増減率を、下は季節調整指数をそのままを、それぞれプロットしています。影を付けた部分は景気後退期であり、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで同定しています。

photo

昨年2020年12月の小売業販売額は明確に減少に転じました。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の第3波の感染拡大が始まり、緊急事態宣言が出たのは年明けとはいえ、年末の繁忙期にはすでにカウントダウンに入っていましたので、市場価格で評価される小売業販売額には大きな影響あったといわざるを得ません。産業別に前年同月比で見て、暖冬の影響に伴う冬物衣料の販売不振などから、織物・衣服・身の回り品小売業が▲4.4%減を記録したほか、COVID-19の感染拡大の中でも堅調な伸びを示してきた飲食料品小売業でも前年同月比プラスは2020年4月から11月までしか続かず、12月は9か月ぶりのマイナスを記録し、しかも、▲1.4%減とそれなりに大きなマイナスを記録しました。他方で、2020年3月から前年同月比マイナスを続けている燃料小売業は、COVID-19が遠因をなしているとはいえ、国際商品市況における石油価格の下落に起因しています。他方で、いわゆる耐久消費財の中核となっている自動車小売業や電気を含む機械器具小売業については堅調な伸び、すなわち、自動車小売業+3.9%増、機械器具小売業+16.4%増を記録しています。他方、さまざまな商品構成となっているとはいえ、ネット通販を含む無店舗小売業も+5.5%増となっています。

最後に、グラフはありませんが、業態別の特徴としては、在宅勤務やテレワークの実施に伴って、コンビニの売上が伸び悩みを示しています。2020年に入ってCOVID-19パンデミックが拡大して、3月から12月まで前年同月比マイナスが続いています。2020年通年では▲4.4%減と、1998年10月に統計を開始して以来初めての前年割れだそうです。

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