緊急事態宣言解除に先駆けて2月の消費者態度指数は改善を示す!!!
本日、内閣府から2月の消費者態度指数が公表されています。季節調整済みの系列で見て、3か月振りに改善し前月から+4.2ポイント上昇して33.8を記録しました。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
2月の消費者態度指数、3カ月ぶり改善 判断「持ち直しの動き」に上げ
内閣府が4日発表した2月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯(2人以上の世帯)の消費者態度指数(季節調整値)は前月比4.2ポイント上昇の33.8だった。前月から改善するのは3カ月ぶりで、上昇幅は比較可能な2013年4月以降では2番目の大きさだった。内閣府は消費者心理についての基調判断を「依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。前月は「弱含んでいる」だった。
新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、一部地域での緊急事態宣言は続いているが、1月と比べて全国の新規感染者数が減少傾向にあることなどが消費者心理を上向かせたようだ。指数を構成する「暮らし向き」や「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4指標はいずれも前の月から上昇した。
日ごろよく購入する物の1年後の物価見通し(2人以上の世帯が対象)では「上昇する」と答えた割合が69.8%(原数値)と前の月を4.4ポイント上回った。
態度指数は消費者の「暮らし向き」など4項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化したもの。全員が「良くなる」と回答すれば100に、「悪くなる」と回答すればゼロになる。調査基準日は2月15日で、調査は全国8400世帯が対象。有効回答数は7595世帯、回答率は90.4%だった。
いつものように、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。また、影を付けた部分は景気後退期なんですが、このブログのローカルルールで直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に同定しています。

ということで、消費者態度指数は3か月振りに改善を示し、前月統計から+4.2%とかなり大幅な上昇を見せました。従って、引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を1月の「弱含んでいる」から「依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる」へ引き上げています。消費者態度指数は景気に対して先行性あるマインド指標らしく、昨年2020年4月からの第1回目の緊急事態宣言を底として、翌5月から回復を始め、さらにその次の6月の改善幅が+4.4ポイントでしたから、それに次ぐ大きな改善といえます。調査期間は2月22日までであり、調査時点ではまだ緊急事態宣言は解除されていませんでしたが、首都圏を除く関西圏などの緊急事態宣言解除を見通してのマインド改善といえます。ただ、消費者態度指数を構成する指標の前月差を詳しく見ると、「雇用環境」が+6.4ポイントともっとも大きく改善したほか、「暮らし向き」や「耐久消費財の買い時判断」も+4ポイント超の改善を示している一方で、消費の原資となる「収入の増え方」はわずかに+1.9ポイントの改善にとどまっています。まあ、何と申しましょうかで。前月差で+2ポイント近い改善は、それなりに評価すべきとは考えるものの、他の指標との関係で将来の収入の期待がまだそれほど高まっていないのは、やや懸念が残るところです。ただ、何度も繰り返しになりますが、将来期待はすべからく新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック次第であって、経済外要因としか私には考えられません。
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