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2021年3月11日 (木)

2月の企業物価指数(PPI)上昇率は着実にマイナス幅を縮小!!!

本日、日銀から2月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は▲0.7%の下落を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の企業物価指数、前月比0.4%上昇 3カ月連続のプラス
日銀が11日発表した2月の企業物価指数(2015年平均=100)は101.2と、前月比で0.4%上昇した。前月比の上昇は3カ月連続。石油製品や化学製品の値上がりが寄与した。一方、前年同月比では0.7%の下落だった。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。2月はサウジアラビアの自主的な追加減産や、バイデン米政権が打ち出した追加経済対策による米国の景気回復期待を背景に、原油市況が強含み、石油製品や化学製品など幅広い分野の価格を押し上げた。中国の需要回復で非鉄金属が上昇したほか、海外の自動車や家電製品の需要持ち直しで鉄鋼も上昇した。
円ベースでの輸出物価は前年同月比0.3%上昇、前月比では1.4%上昇した。円ベースでの輸入物価は前年同月比で3.5%下落、前月比で4.1%上昇した。
公表している744品目のうち、前年同月比で上昇したのは287品目、下落したのは353品目だった。

続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期であり、直近の2020年5月を景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで同定しています。

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特に、コメントすることもなく、順調に足元で物価が下げ止まりつつあります。ただ、その要因は基本的に石油価格であり、おそらく、2~3か月で確実に石油価格は前年同月比でプラス寄与し始めると私は考えています。どうも、企業物価のヘッドラインとなる国内物価では、前年同月比のマイナス幅が下げ止まるとともに、季節調整していない系列ながら前月比に注目するようになったようで、引用した記事もそうなっています。ということで、前月比+0.4%に対する寄与度で見て、ガソリンなどの石油・石炭製品の寄与が+0.25%ともっとも大きく、化学製品の+0.10%、非鉄金属+0.09%、鉄鋼+0.06%と続きます。引用した記事には、米国バイデン政権の追加経済対策による景気回復期待となっていますが、米国だけではなく中国の景気回復も視野に入れて、国際商品市況で石油をはじめとする各種資源が値上がりしているようです。従来から主張しているように、我が国の物価を見ている限り、日銀の金融政策よりも国際商品市況の影響力の方が大きい気すらしていますから、このままもしも物価が上昇し始めたりすると、他国の景気回復に頼ったデフレ脱却になるのかもしれません。

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