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2021年6月21日 (月)

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)ワクチンをすぐに接種したい人とそうでない人の特徴やいかに?

昨年から本格的になった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックに対して、社会的あるいは経済的なマイナスの影響を払拭する決め手として期待されているワクチン接種ですが、高齢者だけでなく職域接種も含めて広がりを見せているのはアチコチで報じられている通りです。ワクチン接種の進展による経済効果としては、例えば、みずほリサーチ&テクノロジーズのリポート「ワクチン接種加速の経済効果」によれば、「ワクチン接種ペースが1日100万回まで加速する場合、経済の正常化時期が前倒しされ、2021年度GDPを1%程度押し上げる (約6兆円の経済効果)」があると結論しています。しかし、他方で、ワクチン接種を受けるかどうかは基本的に個人の自由であり、積極的に摂取しようと考える人とそうでない人がいるのも事実です。こういった傾向について、ニッセイ基礎研から「新型コロナワクチンをすぐにでも接種したい人とは?」「新型コロナワクチンをすぐには接種しない人の理由と特徴」と題するリポートが先週6月15日に明らかにされています。いずれも、ニッセイ基礎研究所が実施した「第4回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査 (2021年3月)」のデータに基づいて分析が行われています。やや旧聞に属する話題ながら、簡単に図表を引用して取り上げておきたいと思います。

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まず、両方のリポートに共通して出ている 新型コロナウイルスのワクチン接種意向 のグラフは上の通りです。全体の1.4%が既に接種していたほか、24.1%が「すぐにでも実施したい」、51.2%が「しばらく様子を見てから接種したい」、15.9%が「あまり接種したくない」、7.5%が「絶対に接種したくない」と回答しています。
最初のリポートのすぐにでも接種する意向あるケースで見て、客観的な事実からは、女性よりも男性、年齢が高いこと、祖父母と同居している人、孫と別居している人が統計的に有意な結果が得られています。加えて、既往症からは、持病や肥満の場合には、統計的に有意に接種意向が高くなる、との結果が得られています。マインド的な意向としては、飲食店の店内での飲食、国内旅行、交際やつき合い時間を増やそうと考えている人が統計的に有意に高い接種意向を示しています。まあ、これは常識的な結果かもしれませんが、逆に、妊娠中・授乳中の場合はそれほど強い接種意向は示されていませんし、マイクロな感染による収入源、あるいは、マクロな日本経済の悪化といった経済面の不安あってもそれほど接種意向が強まらないような印象です。常識的な結果ながら、アンケート調査に基づいて、それなりの統計的な確認ができたのは、ファクトファインディングとしてはいいことだと私は考えます。

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次に、リポートから、すぐには接種を希望しない理由 のグラフを引用すると上の通りです。すぐには接種を希望しない理由については、「安全性への不安」、「順番待ち・様子見」、「面倒」、「ワクチン不要」の4要因に分類してあります。
まず、「安全性への不安」から、すぐには接種を希望していない人の特徴として、男性よりも女性、妊娠中・授乳中の人、肥満ではない人が統計的に有意な結果を見せています。「順番待ち・様子見」は個人属性としては、ほぼほぼ女性に限定されます。「面倒」は性別には関係ないようで、逆に、年齢が低いと統計的に有意な結果が示されています。「ワクチン不要」はさすがにほとんどの要因で統計的有意性が示されていませんが、数少ない要因のうち、持病がないとやや統計的に有意となっています。

とても興味深い結果だと私は受け止めています。しかし、私自身はあえていえば、すぐには接種を希望せず、「しばらく様子を見てから接種したい」と考えています。60歳を過ぎていますが、肥満ではなく持病もなく、それほどは飲食店の店内での飲食や国内旅行を増やそうとも思っていません。そもそも、流行の最先端を行くタイプではありません。Innovator理論でいえば、決してEarly Adoptersではなく、Laggardではないにしても、せいぜいがLate Majorityではないか、という気がします。強くします。

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