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2021年6月10日 (木)

前年同月比+4.9%の高い上昇率を記録した5月の企業物価指数(PPI)国内物価をどう見るか?

本日、日銀から5月の企業物価 (PPI) が公表されています。ヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+4.9%を記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

5月の企業物価指数、前年比4.9%上昇 前月比0.7%上昇
日銀が10日発表した5月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は103.9で前年同月比で4.9%上昇、前月比で0.7%上昇した。市場予想の中心は前年比4.5%上昇だった。
円ベースで輸出物価は前年比11.0%上昇、前月比で1.0%上昇した。輸入物価は前年比25.4%上昇、前月比で2.2%上昇した。

とてもコンパクトに取りまとめられています。続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは下の通りです。上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、下は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。また、影を付けた部分は景気後退期であり、2020年5月を直近の景気の谷として暫定的にこのブログのローカルルールで同定しています。

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このところ、順調に足元で物価が下げ止まりつつあると私は評価していますが、まさに、その通りの展開と受け止めています。引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスではPPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比で+4.5%の上昇と見込まれており、レンジの上限でも+4.9%でしたから、まさに、このレンジの上限を記録したということになります。石油をはじめとする資源価格の上昇に起因するとはいえ、このところ、順調に物価上昇率が拡大していると私は受け止めています。国内物価について品目別で前年同月比を詳しく見ると、石油・石炭製品が+53.5%、非鉄金属が+41.6%、木材・木製品が+9.7%、化学製品も+9.0%、鉄鋼も+7.0%などとなっており、こういった品目はいずれも4月統計よりも上げ足を速めています。季節調整していない原系列の統計ながら、前月比も+0.7%の上昇を示しており、品目別で寄与度の大きい順に見て、石油・石炭製品が+0.20%、非鉄金属が+0.16%、石油・石炭製品が+0.10%などとなっています。基本的に、国際商品市況における石油ほかの1次産品価格の上昇とともに、中国をはじめとする新興国における景気回復が背景にあるものと考えるべきです。例えば、輸入物価のうち国内通貨建ての原油価格は昨年2020年3月から12か月連続で前年同月比マイナスを記録していたのですが、今年2021年3月には+7.6%、4月は+72.9%、そして、直近で統計が利用可能な5月には何と+238.8%と跳ね上がっています。もちろん、昨年2020年5月が我が国のみならず世界的にも景気の底で、例えば、日経新聞の記事を見ると、2020年5月限月のWTI先物がマイナスを記録したと報じられたのが2020年4月下旬でしたから、まさにリバウンドの効果が大きいといえます。ですから、PPIの品目別の指数で見ても、原油価格指数は2021年5月に109.1と、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック初期の2020年1-2月の117.3にも達していないわけですが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)ショックで低迷していた資源価格が元に戻りつつあると考えるべきであり、大きなコスト圧力となるかどうかは、今後の価格動向次第であるように受け止めています。ただ、私は先行きの資源価格動向はまったくの専門外ですので、シンクタンクなどのリポートを参考にすると、5月14日付けのみずほ証券のリポートでは「原材料高によるインフレ懸念は秋口まで継続か」とのタイトルになっていますし、5月末の日本総研の「原油市場展望」では「60ドル台の現行水準で推移する見通し」と結論しています。いずれにせよ、内需などの需要サイドからの物価押上げではなく、資源価格によるコストプッシュの色彩が強いものの、まあ、それはそれで、デフレ脱却に寄与するのであれば、決して悪い話ではない気がしないでもありません。相変わらず、日本の物価は金融政策よりも資源価格によって変動するようです。

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