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2021年6月23日 (水)

UNCTAD World Investment Report 2021 に見る直接投資の減少やいかに?

今週月曜日6月21日に国連貿易開発会議(UNCTAD)から World Investment Report 2021 が公表されています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。世界の直接投資(FDI)は国連のSDGsターゲットのためにも重要ですが、2020年の直接投資(FDI)は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック防止のためのロックダウンなどにより投資プロジェクトが停滞し、もちろん、景気後退の影響もあって、前年から大きく減少を示しています。この World Investment Report はそれほど頻度高く取り上げているわけではありませんが、というよりも、ひょっとしたら初めてかもしれないと思いつつ、国際機関の英文リポートに着目するのは私のこのブログのひとつの特徴ですので、pdfの全文リポートからいくつか図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから、p.2 Figure I.1. FDI inflows, global and by group of economies, 2007-2020 を引用しています。右上の円グラフは、2020年の地域別のシェアをプロットしており、ほぼほぼ1兆ドル($999billion)の直接投資(FDI)のうち、⅓近い$312billionが先進国であり前年比▲58%減と半減超の減少を示し、他方、⅔の$663billionを占める途上国FDIは▲8%減にとどまっていることが読み取れます。この途上国FDIの減少幅が小さい点は、"mainly because of resilient flows in Asia" と説明されています。いずれにせよ、世界全体のFDIフローは前年の$1.5trillionから▲35%減の$1.0trillionへ激減しています。

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次に、上のテーブルはリポートから、p.13 Table I.5. The pandemic impact on investment in SDGs: announced greenfield and project finance, change in value, 2019-2020 を引用しています。見れば明らかですが、リポートでも、SDG関連の新規投資はパンデミック前から▲33%低下し、国際的なプロジェクト・ファイナンスは▲42%減少していると報告しています。再生可能エネルギーの▲8%減を別にすれば、インフラや健康などすべてのSDGs関連セクターへの直接投資も大幅減を記録しています。

ただし、昨年2020年の落ち込みが大きかっただけに、今年2021年にはそれなりのリバウンドを見込むことができるようで、リポート p.16 には今後の見通しとして、"Global FDI flows are expected to bottom out in 2021 and recover some lost ground with an increase of 10-15 per cent." と結論されています。COVID-19パンデミックを乗り越えて、先進国からの直接投資が途上国のSDGsの進展を促進することを私は強く願っています。

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