リクルートジョブズによる5月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
明週火曜日の6月29日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートジョブズによる5月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。まず、いつものグラフは以下の通りです。

アルバイト・パートの時給の方は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響などにより、ジワジワと停滞感を増していて、4月+0.7%増、5月+1.5%増となっています。伸び率が+2.0%を下回るのは、2020年10月から8か月連続です。他方、派遣スタッフの方は昨年2020年5月以降のデータが跳ねていたのですが、今年2021年5月はそのリバウンドで元に戻っています。上のグラフの通り、今年2021年5月は+1.8%を記録しています。
まず、アルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は繰り返しになりますが、5月には+1.5%増の伸びまで縮小し、人手不足がメディアで盛んに報じられていた一昨年2019年暮れから昨年2020年年初のコロナ初期の+3%を超える伸び率から比べるとかなり低下してきています。三大都市圏の5月度平均時給は前年同月より+1.5%、+16円増加の1,091円を記録しています。職種別では「事務系」(+35円、+3.1%)、「販売・サービス系」(+14円、+1.3%)、「製造・物流・清掃系」(+24円、+2.3%)、「専門職系」(+13円、+1.1%)、「フード系」(+7円、+0.7%)と幅広い職種で増加を示し、「営業系」(▲1円、▲0.1%)だけが減少となっています。「営業系」が減少なのは、テレフォンアポインターが大きなマイナスを記録しているからです。地域別でも関東・東海・関西のすべての地域でプラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、5月は+30円増加、+1.8%増の1,725円に達しています。職種別では、「IT・技術系」(+87円、+4.2%)、「クリエイティブ系」(+70円、+3.9%)、「オフィスワーク系」(+42円、+2.8%)、「医療介護・教育系」(+23円、+1.6%)はプラスを記録した一方で、ここでも「営業・販売・サービス系」(▲51円、▲3.4%)だけがマイナスとなっています。派遣スタッフでも、テレオペ・テレマーケティング・スーパーバイザーが大きなマイナスです。地域別では関東・東海・関西のすべての地域でプラスとなっています。
派遣スタッフの時給が伸びを高めているのに対して、アルバイト・パートの時給上昇率はジワジワと停滞し始めています。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的な影響は昨年2020年5月ころに底を打ったように見えることから、雇用については典型的には失業率などで景気動向に遅行するケースが少なくないとはいえ、意外と底堅いという印象です。
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