「観光白書」はまだインバウンドの振興にしがみつくのか?
一昨日、「男女共同参画白書」を取り上げましたが、ちょうどその日の6月15日に「観光白書」、すなわち、「令和2年度観光の状況」及び「令和3年度観光施策」が閣議決定のうえ公表されています。基本的に、私は観光振興策にはさほどの興味はないのですが、インバウンドの決定要因には興味があり、昨年9月に紀要論文「訪日外国人客数およびインバウンド消費の決定要因の分析: VAR過程に基づく状態空間モデルの応用」を取りまとめたこともありますし、相変わらず、政府の観光政策はインバウンド頼みの観光振興策で終始していて、やや失望感を禁じえませんので、批判的にごく軽く見ておきたいと思います。
上のグラフは「観光白書」第2章 日本の観光の動向 から 図表Ⅰ-12 訪日外国人旅行者数の推移 を引用しています。2020年のインバウンド観光客は前年比▲87.1%減の412万人となっており、412万人のうちアジアからの訪日外国人旅行者数が332万人、全体の80.6%を占め、さらに、中国が107万人、台湾69万人、韓国49万人となっています。
「観光白書」は4部構成で、第Ⅳ部が「令和3年度に講じようとする施策」になっていて、第1章 新型コロナウイルス感染症の対応と観光の復活、第2章 観光立国の実現に向けた観光施策、の2章構成です。私は少し前に同僚教員とおしゃべりしていて、「東京オリンピックは開催されるだろう」と発言したところ、その理由を鋭く問われて、「中止の決断ができないから」と回答した記憶があります。観光政策もどうもインバウンド偏重から脱するのが難しいようですし、もうどうしようもありません。
観光と深く関連して、カミさんと私が東京を脱出して1年余り、とうとう上野の国立科学博物館と国立博物館の前に、東京初のポケふたが6月14日に設置されたそうです。ヤジロン、ドーミラー、チゴラス、ソーナノがあしらってあります。上の動画はTBSニュースがYouTubeにアップしたものです。機会があれば見に行きたいと私は熱望しています。
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