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2021年6月14日 (月)

電通による「カーボンニュートラルに関する生活者調査」の結果やいかに?

先週水曜日の6月9日、電通から「カーボンニュートラルに関する生活者調査」の結果が明らかにされています。第1回調査であり、pdfの全文リポートもアップされています。まず、長くなってしまいますが、電通のサイトから、【主なファインディングス】を5点引用すると以下の通りです。

【主なファインディングス】
  1. 「カーボンニュートラル」という言葉の内容まで理解している生活者は15%に留まる一方、取り組みの必要性は7割以上の生活者が感じている。
  2. グリーン成長戦略の14の重点分野に関する認知や内容理解について、6分野は話題となって社会に浸透する可能性が見えてきているが、全分野、生活者に定着するまでには至っていない。
  3. シニア世代>Z世代>ミレニアル世代の順でグリーン成長戦略への関心および関与意向が相対的に高い。特に60-70代はほとんどの分野の取り組みに対する関心度が相対的に高い。
  4. 取り組みの先導は「国」、正しい情報は「研究機関」、実施は「大企業」に期待されている。
  5. 「カーボンニュートラル」に取り組む企業・団体に対しては「時代の変化に適応し、チャレンジ精神や、長期定期な経営視点がある」とポジティブな印象を持ち、また、約8割の生活者は、この取り組みによる一定の追加費用の負担を許容している。

もうほとんどフォローの必要もないくらいに的確に取りまとめてあります。で終わってもいいのですが、いくつかグラフを引用しておきたいと思います。

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まず、電通のサイトから、「カーボンニュートラル」と「脱炭素」の認知度の質問 Q. 「カーボンニュートラル」「脱炭素」という言葉をどの程度ご存知ですか。 に対する結果は上の通りです。ハッキリいって、日本人の認知能力はかなり高いと私は信じていたのですが、その割には、「カーボンニュートラル」、「脱炭素」の認知度は高くない、と考えざるを得ません。特に、カタカナの「カーボンニュートラル」については、内容まで理解している人は15%に過ぎません。ただし、グラフは省略しますが、次の問の回答から、「カーボンニュートラル」への取り組みについては、「必要」と「どちらかといえば必要」を合わせると75%近い人が取り組みの必要性を認識しています。

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次に、電通のサイトから、その取組を行っている企業への評価の質問 Q. 「カーボンニュートラル」の実現に向けて取り組む企業に対する評価を教えてください。 に対する結果は上の通りです。基本的に好意的な評価であろうと私は考えたいのですが、中ほどの就職先や投資先あたりから、高評価が50%を下回っています。このあたりは、その昔に、ライシュ教授の『暴走する資本主義』を読んだときにも感じたところで、その企業に雇用されている場合であれば高賃金を期待する一方で、企業の生産物に対する消費者とか投資を行う場合などは、低賃金の労働者を利用して利益を最大化することを望むわけで、そのあたりは、決して一様な評価が出るとは限りません。でも、一般論としていわれているように、いわゆるESG投資は高利回りだそうですから、雇用者として働く場合と消費者・投資家の立場からの企業の見方は収斂する方向にあるのかもしれません。

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最後に、電通のサイトから、取り組みのコスト負担の質問 Q. 「カーボンニュートラル」 の取り組みの結果、関連する衣食住や移動などにおける追加の費用負担は、月いくらくらいまでであれば許容できますか。 に対する結果は上の通りです。私は脱炭素やカーボンニュートラルの達成にためには、例えば、その昔の省エネで家計にプラスというだけでなく、実際に、いかに身銭を切って貢献できるか、という点も重要だと考えていますが、この結果について、どこまで評価できるのか、やや疑問が残るところです。

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