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2021年8月28日 (土)

今週の読書は経済書なしで歴史書や小説とともに出来の悪い新書まで計3冊!!!

今週の読書は、経済書なしで歴史書と小説と新書の3冊だけでした。新書は経済学のテーマですが、まあ、学術書ではありません。しかも、出来が悪いです。新刊書以外にいろいろと肩のこらない小説を読んだのと、紀要論文の取りまとめで大量に経済学の文献を読んだため、読書がはかどらなかったような気がします。特に、昨年もそうだったんですが、紀要論文は2週間ほどのヤッツケで仕上げていますので集中力には自信がつきました。もっとも、私のことですから読んでおいて忘れてしまったのかもしれません。あり得ます。なお、いつもお示ししている本年の読書の進行ですが、このブログで取り上げた新刊書だけで、1~3月期に56冊、4~6月も同じく56冊、今日取り上げたものを含めて7~8月で43冊、これらを合計して154冊になりました。

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まず、高田貫太『アクセサリーの考古学』(吉川弘文館) です。著者は、国立歴史民俗博物館の研究者です。新羅・百済・大加耶に高句麗を加えた朝鮮半島の4国に、もちろん、我が国の当時の呼び名である倭と5か国の交流についてアクセサリーとともに解明を試みています。当時のアクセサリーは垂飾付きの耳飾り、冠、飾り帯、飾り履、首飾り、腕輪、指輪などです。現代人にとっては、最後の3点、すなわち、腕輪=ブレスレット、首輪=ネックレスないしペンダント、指輪=リングが中心になりますが、本書が対照としている4~6世紀の朝鮮半島と日本では少し様相が異なります。実は、私も基本的にアクセサリーは身につけます。左手薬指の指輪、ネックレスとブレスレットはほぼほぼ毎日です。これも基本的に光りものなんですが、汗をかくことが十分予想されている時など例外的にシリコンゴムのアクセサリーを選ぶ時もあります。何と申しましょうかで、そこまでしてアクセサリーを身につけたいわけです。なお、首にするのは、男ですので、基本的にペンダントヘッドのないチェーンのネックレスなんですが、時折、ペンダントヘッドのあるペンダントもします。プールで泳ぐ時はシリコンの指輪を左手薬指にして泳ぎます。おそらく、男性として圧倒的にめずらしいと自分自身で考えているのは、夏場のサンダル着用時限定ながら、アンクレットを身につけることです。光りものもありますが、ミサンガのような紐を左足の足首につけることが多いです。時折、イヤカフスもします。ということで、自分のアクセサリー趣味はいいとして、朝鮮半島の国々が圧倒的に我が国よりも先進国であった古典古代の時期において、和戦両用の国際交流をにらみつつ、アクセサリーを通じた国際関係の解明が本書では楽しめます。それなりに、オススメの教養書・歴史書です。

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次に、木内一裕『小麦の法廷』(講談社) です。著者は、ほぼ私と同年代の小説家ですが、不勉強にして、私はこの作者の小説を読むのは初めてでした。弁護士になったばかりの若い女性を主人公に、東京の殺人事件と横浜の暴行傷害事件、さらに、九州の遺産相続案件と3件の依頼がひとつに収束して、最後は見事な結末を迎えるというミステリ、といっていいんだろうと思います。もっとも、ミステリとしても、いわゆる倒叙型であって、謎解きがメインになっているわけではありません。主人公は高校時代はレスリングに打ち込んでいて、オリンピック代表まで狙える位置にあったという設定ですので、急に弁護士になるとか、ましてや父親も実は弁護しながら、悪事を働いて弁護士資格を剥奪されたとか、やや、通常ではありえないような小説らしい設定となっています。でも、ネタバレながら、横浜の暴行傷害事件で有罪になることを目指し、それをアリバイにして東京の殺人事件の無罪を狙う、というそのスジの男性に対して、実に明快に水掛け論を法廷で展開し、勧善懲悪の結果に持って行っています。いろんな設定が出来すぎで、いかにも事件を望ましい方向で解決するためにムリをしている気もしますが、まあ、小説とはそういうものかもしれません。

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最後に、柿埜真吾『自由と成長の経済学』(PHP新書) です。著者は、経済学の研究者のエコノミストです。本書の目的は明確であり、斎藤幸平『人新世の「資本論」』を批判して、論破しようと試みています。私はこの目的は基本的に失敗していると受け止めています。最大の理由は、地球温暖化に対する疑問ないし否定を含んでいることです。この科学的な根拠満載の地球温暖化や気候変動を否定するのであれば、そもそも、『人新世の「資本論」』への反論はそれだけで済みます。後は、ソ連型社会主義や中国型社会主義への、一部に偏見も含めた否定があればそれでOK、ということになります。格差や貧困の拡大を中心的な論点として、現在の資本主義の行き詰まりを論じるエコノミストが多いにもかかわらず、産業革命以降くらいの長い時間的なスパンで考えれば、資本主義が工場法制定前から現在まで大いに自由をもたらし、成長を実現してきたのは当然で、本書で教えてもらうまでもありません。その資本主義が格差や貧困から行き詰まっている点を認識できないのが本書の弱点です。これらを認識し、科学的な根拠がいっぱいある地球温暖化や気候変動を現実の問題としてアジェンダに上げつつ、その上で、どのような解決策があるのかを論じられなければ、本書の失敗の二の舞を踏むことになると私は想像します。

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