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2021年8月14日 (土)

今週の読書はマルクス主義経済学の経済書のほか計4冊!!!

今週の読書は、なぜか、専門外のマルクス主義経済学の経済書2冊と新書2冊の計4冊です。マルクス主義経済学の本はそれほど馴染みがないため、自分でもどこまで理解できたかは自信がありません。今週は京都を離れて大都会まで出向いたため、移動に要した時間を読書に当てましたが、マルクス主義経済学の経済書を軽く読み飛ばすことすら出来ずに、その気もないのにじっくりと読み込むハメになって、理解がはかどらず通常以上の時間がかかった気がします。一応、辞書的にその後の調べ物などの対応には役立ったのではないかと思います。毎週お示ししております読書量なのですが、このブログで取り上げた新刊書だけで、1~3月期に56冊、4~6月も同じく56冊、今日取り上げたものを含めて7~8月で35冊、これらを合計して147冊になりました。すでに8月の夏休みに入っており、実は、万城目学『ヒトコブラクダ層ぜっと』上下をすでに買い込んでありますので、この先の夏休みはのんびりと軽い読書を考えています。

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まず、基礎経済科学研究所[編]『時代はさらに資本論』(昭和堂) です。著者は、マルクス主義経済学の学会であり、実は私も会員となっています。会員資格は、所員・所友・研究生とあるのですが、私はフル資格を得られる所員ではなく、所友という会員です。役員なんかにはなれないんだろうと思いますが、他方で、会費は少し安くなっているんではないかと思います。いずれにせよ、大学の研究費で支払っています。会員ですから、会費の範囲で無料で配布を受けています。タイトルはいうまでもなく、マルクスの『資本論』に由来しており、中身としても、『資本論』全3巻の構成に準じて、ではないとしても、3部から成っています。実は、10年余前にこの学会は『時代はまるで資本論』という本を出版しています。残念ながら、私は読んでいません。その当時は私はまだ国家公務員として働いており、研究所の会員ではありませんでした。終章ではベーシック・インカムを取り上げています。第1部では労働に焦点を当て、第2部では『資本論』の中心部分をなす商品と資本蓄積、資本の再生産に着目し、第3部で利潤率の傾向的低下や経済の金融化などから資本主義の終わりとその先を見据えた議論を展開しています。私の理解は十分ではないと思いますが、おそらく、広く一般向けではないと受け止めています。それなりに、経済学の基礎知識ある学生やビジネスパーソン向けであろうと思います。興味あふれる内容ながら、専門外の私は十分に理解したとは思えませんので、読後の感想はこれくらいにしておきます。

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次に、松尾匡[編著]『最強のマルクス経済学講義』(ナカニシヤ出版) です。著者は、立命館大学の研究者であり、私の同僚です。本書も松尾教授からご寄贈いただきました。誠に申し訳ないながら、あまりに専門外ですので研究費でも買おうとは思わなかったかもしれません。とうか、ご寄贈いただくまで、知りもしませんでした。本書も前の『時代はさらに資本論』と同じように3部構成となっています。資本論体型、数理マルクス経済学、経済史から成っています。400ページを超えるマルクス主義経済学のテキストであり、「妥協しない本格的マル経教科書」を標榜しています。私は、『資本論』全3巻は読んでいて、役所の採用面接の際にもそれを明言して採用された記憶があるのですが、赤道を挟んだ海外勤務2回を含む何度かの引越しのため、なぜか、『資本論』は散逸していたりします。本書に即していえば、今までまったく知りもしなかった第2部の数理マルクス経済学のモデル分析と実証分析が、私の専門分野にやや近いという気もしました。ただし、実証研究については、基本的に、産業連関分析が中心となっており、動学的な時系列分析にはマダ踏み込んでいません。その分、というか、何というか、第3部がごく短いながら経済史となっていて、長期の動学的な変動という意味の歴史を取り上げています。ただし、マルクス主義的な歴史、特に経済史というのは、生産関係の変更に基づく発展段階説ですので、同じ資本主義的生産における動学的な変動が分析対象になっていないのは、私の専門分野との大きな違いかもしれません。おそらく、私が認識していないだけで、産業連関分析やクロスセクション分析という静学理論と超長期の経済発展論の間を埋める理論体系がどこかにあるんだろうと思います。これまた、十分な理解からはほど遠いかもしれませんが、読後の感想でした。

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次に、西井開『「非モテ」からはじめる男性学』(集英社新書) です。著者は、臨床心理学の研究者です。どうでもいいことながら、私が知る限り、心理学は臨床心理学と社会心理学があり、前者が経済学におけるミクロ分析、後者がマクロ分析なんだろうと、ほのかに認識しています。ということで、世の中にはフェミニズムや女性学というのは、それなりに、一定の認知を受けているのですが、男性学というのは女性学よりは社会的に認められていないような気もしますし、加えて、「非モテ」から男性学を解き明かそうという試みは私は初めてでした。ただし、あくまで臨床心理学的な観点からの男性学ですので、テクニカルに「非モテ」を脱して、女性にモテるようになるための指南書ではありません。男性というホモソーシャルな集団の中で、高校生くらいから「非モテ」はからかいや緩い排除の対象とされ、自己否定を深めていくプロセスが見られるわけですが、おそらく、何らかの集団の中で、明確なシグナルをもって差別されるのではなく、こういった緩い差別を受けることに関しては、職業生活の中でもあり得ると私は受け止めています。私の場合も、東大卒がかなりの多数を占めるキャリアの公務員の中で京大卒でしたし、今の大学では大学院教育も受けていなければ、学位も持っていないと、ひどく見下されてイヤな思いをしています。しかも、「非モテ」と同じで、ほぼほぼすべてが「自己責任」で処理されています。本書では何ら指摘されていませんが、「非モテ」の生き辛さも「自己責任」による場合が多いと私は認識しています。加えて、私の場合は、ひょっとしたら、生物学的に男性として欠陥があるような気がしていたりします。例えば、著者自身も認めているように、他者に優越することを目指したり、いわゆるマウンティングを目指す男性的志向は私の場合はほとんどありません。特に、年齢を経てこの傾向が著しくなった気がします。ただ、「非モテ」の経済的なバックグラウンドには「自己責任」を強調された上で、低所得や、その典型としての非正規雇用などがあるような気がする一方で、私の場合は経済的には格差の真ん中へんないし上にあったですし、体格的には男性性が決して低くないので、リア充とはいわないまでも、「非モテ」にはならなかったのかもしれません。特に、30歳前後でバブル経済の派手な生活の経験を持っていますので、バブル期にはみんなが遊び回っていた記憶があり、「非モテ」はいなかった、ないし、少なかったのかもしれません。

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最後に、古谷敏・やくみつる・佐々木徹『完全解説 ウルトラマン不滅の10大決戦』(集英社新書) です。著者は、ウルトラマンのスーツアクター、漫画家にして大相撲他のマニアック分野の専門家、そして、週刊誌などでプロエスや音楽の記事を配信しているライターの3人です。集英社新書プラスのサイトの連載記事「ウルトラマン不滅の10大決戦 完全解説」を基に出版されています。10大決戦は、10番目から始まって以下の通りです。第10位 ゼットン、第9位 アントラー、第8位 ケロニア、第7位 ギャンゴ、第6位 ザンボラー、第5位 ジラース、第4位 ジャミラ、第3位 シーボーズ、第2位 ゴモラ―、第1位 ダダ、となっています。選ばれている基準は本書を読むしかないのですが、まあ、ウルトラマン世代に近い私なんかには理解できる気もします。本書冒頭の3ページほどに、これら10大決戦ほかのカラー図版が収録されています。まあ、何と申しましょうかで、判る人には私なんぞから中途半端な解説や書評は不要でしょうし、判らない人には何ページ費やしても判らないと思います。ご興味ある人にはたまらない企画かもしれませんが、ネットでかなりの部分が利用可能ですので、図書館で借りるのが吉ではないでしょうか。

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