新型コロナウィルス感染症(COVID-19)はイノベーションを促進したか?
先週金曜日の10月15日に、文部科学省から「全国イノベーション調査2020年調査統計報告」が公表されています。原則として、従業者数10人以上を有する企業442,978社を対象母集団とし、国際基準である『オスロ・マニュアル』に準拠した我が国公式の統計調査です。多岐にわたるリポートなのですが、1点だけ新型コロナウィルス感染症(COVID-19)との関係だけ注目しておきたいと思います。

上のグラフは、リポートp.14 図1.1 COVID-19 対応イノベーション実現企業率 を引用しています。規模別には、大企業ほどイノベーションを行っているのですが、産業別には、製造業ではなくてサービス業での実施が多くなっています。それだけ、コロナ被害がサービス業で大きかったことの現れ、と私は受け止めています。「必要は発明の母」という言葉を思い出しました。ただし、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)がイノベーション活動に与えた影響としては、「効果・影響なし」が80%前後と圧倒的多数を占めるものの、規模別でも、製造業・サービス業別でも、コロナはイノベーションを「促進」するよりは「阻害」の影響の比率が高くなっています。当然です。
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