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2021年11月22日 (月)

みずほリサーチ&テクノロジーズのリポート「経済対策は過去最大の財政支出規模」に見る経済効果やいかに?

岸田内閣は、先週金曜日に財政支出55.7兆円規模の過去最大と称する「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を閣議決定しています。内閣府で公表している資料は以下の通りです。

  1. 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」 概要
  2. 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」について 閣議決定
  3. 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の経済効果

内閣府では支出が直接的に実質GDPを下支え・押上げする効果を+5.6%程度と見込んでいるのに対して、みずほリサーチ&テクノロジーズでは「経済対策は過去最大の財政支出規模」と題するリポートを明らかにし、GDP押し上げ効果は2021年度で+0.3%、2022年度で+1.0%との試算結果を示しています。

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まず、みずほロサーチ&テクノロジーズのリポートから 経済対策の事業規模・真水 を引用すると上の通りです。事業規模が78.9兆円程度、そこから民間資金分を除いた財政支出が55.7兆円程度、さらに、財政投融資の6兆円を除けば、国と地方の歳出で真水の49.7兆円程度、ここまでは内閣府のリポートと同じ額です。最後に、みずほロサーチ&テクノロジーズのリポートでは、国土強靭化、家計向け給付、GoTo再開などを受けて、貯蓄に回る分を除いて経済効果としては7~8兆円を見込んでいます。というのは、例えば、家計向けの現金給付については、クーポンやマイナポイントにしても、それ自体は消費に回るとしても、元々使う予定だった部分がその分貯蓄に回る可能性を考慮し、予算額の29%を経済効果と見込んでいます。ただし、防災・減災、国土強靭化関連の公共投資についてはGDPの押し上げ効果が大きいと見込んでいます。

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続いて、内閣府のリポートから 実質GDPの直接的な下支え・押し上げ効果 を引用すると上の通りです。みずほロサーチ&テクノロジーズのリポートでは、上に書いたように、家計向けの現金給付をはじめとして、予算額のうちの経済効果として現れる部分が決して大きな部分を占めるわけではない、と考えているのに対して、私の想像ながら、おそらく、内閣府ではこれらを100%として試算しているのだろうと受け止めています。ですから、この経済対策によるGDPの押し上げ効果は+5.6%と見込まれています。

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続いて、みずほロサーチ&テクノロジーズのリポートから 経済効果 (需要項目別) を引用すると上の通りです。結果的に、みずほロサーチ&テクノロジーズの経済効果試算は、2021年で+0.3%、2022年でも+1.0%と、内閣府の試算と比較してかなり小さくなっています。中でも、公共投資の部分がかなり大きいのが見て取れます。

経済効果試算は民間シンクタンクと政府でかなり大きさが異なりますが、いずれにせよ、経済を下支えする効果は見込まれます。私はデフレ脱却のためにも、もちろん、国民生活の向上のためにも、より拡張的な金融財政政策により、GDPギャップをもっと大きなプラスに持っていくような高圧経済が必要と考えています。

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