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2021年12月 7日 (火)

4か月振りに上昇した10月統計の景気動向指数の先行きやいかに?

本日、内閣府から10月の景気動向指数公表されています。CI先行指数が前月から+1.9ポイント上昇して102.1を示し、CI一致指数も前月から+1.2ポイント上昇して89.9を記録しています。どちらも4か月振りの上昇です。まず、統計のヘッドラインを報じる記事を日経新聞のサイトから手短に引用すると以下の通りです。

10月の景気一致指数、1.2ポイント上昇 市場予想は1.2ポイント上昇
内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.2ポイント上昇の89.9となった。QUICKがまとめた市場予想の中央値は1.2ポイント上昇だった。数カ月後の景気を示す先行指数は1.9ポイント上昇の102.1だった。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏み」に据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています

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ということで、統計作成官庁である内閣府では、3月に基調判断を上方改定して、8月統計まで6か月連続で「改善」に据え置いた後、引用した記事にもあるように、先月公表の9月統計から「足踏み」に下方修正して、10月統計でも据え置かれています。基準がどうなっているかというと、「3か月後方移動平均が3か月連続して上昇していて、当月の前月差の符号がプラス」となっています。8月統計からすでに3か月後方移動平均がマイナスになっていたのですから、内閣府の公式発表ではなく、8月統計公表の時点から「足踏み」ではなかったのか、と私は考えます。10月統計について、CI一致指数を詳しく見ると、プラスの寄与が大きい順に、耐久消費財出荷指数、鉱工業用生産財出荷指数、輸出数量指数、生産指数(鉱工業)などとなっており、先月統計でマイナス寄与が大きかった系列がリバウンドして、そのままの順でプラス寄与に並んでいたりします。逆に、マイナス寄与も大きい順に、商業販売額(卸売業)(前年同月比)、投資財出荷指数(除輸送機械)、有効求人倍率(除学卒)などとなっています。基本的に、9月いっぱいで新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のための緊急事態宣言が解除されたことに伴う景気の拡大であると考えるべきです。ただ、11月統計ではまだ顕在化しないでしょうが、足元の12月にはオミクロン変異株が世界的に感染拡大しており、先行き景気はまったく不透明です。

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