帝国データバンク調査による今冬のボーナス支給やいかに?
やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週12月7日付けで帝国データバンクから2021年冬のボーナスに関する調査結果リポートが明らかにされています。私のこのブログでは11月16日付けでいくつかのシンクタンクのリポートから年末賞与の予想を取りまとめていて、前年からほぼ横ばいとの結果となっていました。帝国データバンクの調査は2020年に続いて2回目なので、それほどの内容はありませんが、簡単に取り上げておきたいと思います。まず、調査結果の要約を2点帝国データバンクのリポートから引用すると以下の通りです。
調査結果
- 2021 年の冬季賞与、企業の18.5%で平均支給額が前年より「増加」
- 新型コロナショック下においても企業の5.1%で賞与が2 年連続増加
年末賞与の昨年と比べた増減については、「賞与があり、増加する(した)」企業は18.5%、「賞与があり、変わらない」企業は42.4%、「賞与はあるが、減少する(した)」企業は19.4%となっています。特に、増加企業は精密機械や医療器具、鉄鋼・非鉄・鉱業など製造業で高く、2020年と比べると賞与が増加する企業の割合は10%ポイント以上上昇ています。一方で、「賞与はない」企業が12.0%で、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響の大きかった「旅館・ホテル」は5割超となっています。その産業別に、冬季賞与が増加する企業の割合をプロットしたのグラフを帝国データバンクのリポートから引用すると下の通りです。世界経済の回復を背景にして輸出をテコに回復が進む製造業の姿が浮き彫りになっています。
最後に、注意が必要なのは、この調査からは年末ボーナスの総額は不明です。1人当たり支給額に支給対象者数を乗じた積が支給総額であり、この支給総額が消費の基となる所得なわけです。もっとも、恒常所得ではないので、消費に対してそれほど大きなインパクトは持たない、とする考え方も成り立ちます。もちろん、いずれにせよ、所得が大きい方が消費にはプラスのインパクトを及ぼすことは当然ですので、政府で検討中の賃上げ税制とともに賃金水準の動向は気にかかるところです。
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