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2022年3月 5日 (土)

今週の読書は何とたった1冊の教養書のみ!!!

今週の読書感想文は、諸事情あって、何と新刊書読書はたった1冊の教養書だけ、以下の通りです。実は、昨年2021年1月の出版ですから、もう1年余り経過しているのですが、恒例の土曜日の読書感想文をパスするのもどうかと思って取り上げておきます。今週は、新刊書でない読書が多かったわけです。
ただ、『同志少女よ、敵を撃て』の予約の順番がとうとう回って来て、今日の夕方に近くの図書館に借りに行きました。また、『6人の噓つきな大学生』と『テスカトリポカ』も搬送中とのことで、来週は小説をいっぱい読みそうな予感です。
なお、今年2022年に入ってからの新刊書読書は、本日の1冊を含めて計37冊となっています。今年は200冊を超えるのでしょうか?

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ジェフリー S. ローゼンタール『それはあくまで偶然です』(早川書房) です。著者は、カナダのトロント大学の統計学の研究者です。出版社のサイトに「『運は数学にまかせなさい』のローゼンタール、13年ぶりの新作!」とタイトルされているように、私は前作の『運は数学にまかせなさい』も読んでいて、2007年11月14日付けで「モンティ・ホール問題」を取り上げた際に言及しています。ただ、読書感想文という形ではありませんでした。ということで、本書でも、統計学、というか、かなり確率論に近い数学的な議論が展開されています。特別の幸運/不運、あるいはひっくるめて運について、決してなにか特別な、というか、統計的/確率的に特別なことが起こったのではない、という論証をしています。そのポイントが第6章の可能な説明と第して、特別に大きい的であって当たる可能性が高い、とか、散弾銃効果、あるいは、下手な鉄砲も...などの要因が上げられて、特別なイベントに対する解説がなされています。私も基本的にランダムにイベントは生じているだけであって、特別ななにかの要因、神のご加護とか、宇宙人のパワーとか、古代の力、なんてものがあるわけはない、と考えています。合理的かつ統計的あるいは確率的に説明できることがほとんどだと考えます。ただ、軍隊で実に生真面目にESPの解明がなされようとしていたというのも事実でしょうし、宇宙人の存在を信じている人がいるのも経験上知っています。私は南米はチリの日本大使館に3年余り勤務した経験があるものですから、ある知り合いからナスカの地上絵について論争をふっかけられたことがあります。迷惑この上ないのですが、その人はナスカの地上絵は宇宙人が書いたと主張して譲りません。私は宇宙人がいる確率は十分あると認める一方で、そういった宇宙人が地球にコンタクトした証拠は得られておらず、ナスカの地上絵も宇宙人が書いたとは思わない、と反論したのですが、無存在の証明というのはムリがあると再反論されましたので、ナスカの地上絵は宇宙人が書いた可能性は「統計的に5%水準で棄却される」と回答した記憶があります。その後、統計局に出向することになるとは思わなかったのですが、それなりに合理的なエコノミストの思考はこんなカンジであるという一例でした。まあ、本書もこんなカンジです。

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