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2022年3月15日 (火)

サイバー攻撃は増加しているのか?

トヨタが主要取引先である樹脂部品メーカーの小島プレス工業がサイバー攻撃を受けた影響で、グループ企業のダイハツや日野とともに3月1日に国内の全工場を停止したのは記憶に新しいところですが、本日、帝国データバンクから「サイバー攻撃に関する実態アンケート」の結果が明らかにされています。詳細を収録したpdfの全文リポートもアップされています。まず、帝国データバンクのサイトから調査結果を2点引用すると以下の通りです。

調査結果
  1. 企業の28.4%で、1カ月以内にサイバー攻撃を受けたと回答
  2. 企業規模により、1カ月以内のサイバー攻撃の有無に濃淡あり

話題のトピックであり、なかなか実態を知る機会もない分野ですので、グラフを引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、リポートから サイバー攻撃の有無 のグラフを引用すると上の通りです。1年以内にサイバー攻撃を受けた企業は36.1%、1か月以内だと28.4%に上ります。個別の回答がいくつか紹介されていて、「不正メール受信が特にロシアのウクライナ侵攻後に多くなった」というのがありました。いかにも、という気もしますが、どこまでホントなのでしょうか。また、「自社を名乗るなりすましメールが10 数件客先へ行ってしまった」とか、「大手EC サイトや銀行、運送会社などを装った誘導メールや取引先を装ったスパムが届く」までがサイバー攻撃なのか、という気もします。誘導型のスパムが届いただけでサイバー攻撃と定義されるとすれば、私自身もサイバー攻撃を受けた、というか、毎日のようにサイバー攻撃を受けていることになります。こういったサイバー攻撃を含めると3か月以内に28.4%というのは少ない気がします。

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続いて、リポートから 1カ月以内にサイバー攻撃を受けた割合 ~規模別~ を引用しています。明らかに、大企業へのサイバー攻撃が多いとはいえ、中小企業も無視できない比率でサイバー攻撃を受けています。トヨタの国内全工場を停止に追い込んだサイバー攻撃の対象になった小島プレス工業の企業規模を私は不勉強にして知りませんが、トヨタの関連企業が攻撃を受けてトヨタの工場が停止される、という事実があったわけですし、中小企業を経由して大企業の情報にアクセスするタイプの攻撃があり得る、ということは明らかだと思います。

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