3四半期ぶりにマイナスを記録した1-3月期の法人企業景気予測調査をどう見るか?
本日、財務省から1~3月期の法人企業景気予測調査が公表されています。統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)は足元1~3月期が▲7.5と3四半期ぶりのマイナスを記録しています。ただ、続く4~6月期は+4.7、7~9月期も+6.5とプラスに回帰する見込みです。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。
1-3月の大企業景況感、マイナス7.5 4-6月はプラス4.7
財務省と内閣府が11日発表した法人企業景気予測調査によると、1~3月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス7.5で、3期ぶりマイナスとなった。前回調査の2021年10~12月期はプラス9.6だった。先行き4~6月期の見通しはプラス4.7だった。
1~3月期は大企業のうち製造業がマイナス7.6で、非製造業はマイナス7.4だった。中小企業の全産業はマイナス26.2だった。
2022年度の設備投資見通しは前年度比8.2%増だった。
景況判断指数は「上昇」と答えた企業と「下降」と答えた企業の割合の差から算出する。
いつものように、よく取りまとめられています。続いて、法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業の景況判断BSIのグラフは下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

この統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)で見ると、昨年2021年10~12月期には、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大が大きく鈍化し、BSIもプラスを記録していましたが、今年2022年が明けてオミクロン型変異株の大流行のため一気にマイナスに落ち込んでいます。コロナの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置が企業マインドに大きく影を落としていると考えるべきです。もちろん、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う石油をはじめとする資源価格の高騰も影響をしている可能性があります。ただ、4~6月期からは再びプラスに回帰する見込みであるものの、不透明感は払拭されていません。
統計のヘッドラインとなる景況判断BSI以外の注目点を上げると、従業員数判断BSIから見た雇用は大企業、中堅企業、中小企業ともに「不足気味」超で推移しており、加えて、2021年12月末時点から2022年3月末にかけて不足超の幅がさらに拡大しています。人手不足がうかがえます。また、来年度2022年度の設備投資計画は+8.2%増と、かなり大きなプラスが見込まれています。製造業が+20.1%増と大幅増を見込む一方で、非製造業は+2.2%増にとどまることから、コロナの影響で内需が大きな影響を受けていることが見て取れます。
さて、4月1日に公表される予定の3月調査の日銀短観やいかに?
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