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2022年6月13日 (月)

2四半期連続でマイナスとなった法人企業景気予測調査BSIをどう見るか?

本日、財務省から4~6月期の法人企業景気予測調査が公表されています。統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)は足元4~6月期が▲0.9と2四半期連続のマイナスを記録しています。ただ、続く7~9月期は+6.3、10~12月期も+6.4とプラスに回帰する見込みです。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業景況感2期連続マイナス 4-6月期、法人企業調査
内閣府と財務省が13日発表した4~6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス0.9と2四半期連続でマイナスになった。ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格や原材料価格が高騰し、調達コストの上昇懸念から企業の景況感が悪くなった。
BSIは自社の景況が前の四半期より「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を引いた数値。今回の調査は5月15日が回答の基準日となる。
大企業のうち製造業はマイナス9.9、非製造業がプラス3.4だった。新型コロナウイルスの広がりに伴う行動制限が緩やかになったプラス効果がみられた一方、中国の都市封鎖による世界的な生産活動の停滞が響いた。
1~3月期の調査では4~6月期の景況の見通しについて製造業と非製造業のいずれもプラスになると見込んでいた。その時点の見通しに比べると、今回の調査では製造業で15.8ポイント、非製造業は0.7ポイント下振れた。1~3月期の大企業全産業のBSIはマイナス7.5だった。

いつものように、よく取りまとめられています。続いて、法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業の景況判断BSIのグラフは下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は、景気後退期を示しています。

photo

この統計のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)で見ると、昨年2021年10~12月期には、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大が大きく鈍化し、BSIもプラスを記録していましたが、今年2022年が明けてオミクロン型変異株の大流行のため一気にマイナスに落ち込んでいます。コロナの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置が企業マインドに大きく影を落としている、と考えるべきです。さらに1~3月期からは、ロシアによるウクライナ侵攻に伴って石油をはじめとする資源価格の高騰、さらにそれに拍車をかける円安の進行などがあって、インフレが進行しコストアップが企業活動に影響をしているわけです。一応、7~9月期からは再びプラスに回帰する見込みであるものの、不透明感は払拭されていません。
統計のヘッドラインとなる景況判断BSI以外の注目点を上げると、従業員数判断BSIから見た雇用は大企業、中堅企業、中小企業ともに「不足気味」超となっているものの、2022年中は不足超の幅は緩やかに縮小する見込みが示されています。人手不足がうかがえます。また、企業収益に関しては、2022年度の売上は増加する一方で、経常利益が減少するという意味で、いわゆる増収減益が見込まれています。特に、製造業で半現役、非製造業では増益が見込まれていますので、輸出需要がありながらも輸入原材料に依存する割合の高い製造業においてはウクライナ危機やインフレ・円安の影響を受ける一方で、内需に依存する割合の高い非製造業は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大に対して脆弱、という特徴が見出だせるような気がします。また、今年度2022年度の設備投資計画は+16.0%増と3月調査時点での+8.2%増とから大きく上方修正され、かなり大きなプラスが計画されています。製造業+26.4%増、非製造業+11.2%増と、ともに2ケタ増が見込まれています。

さて、7月1日に公表される予定の6月調査の日銀短観やいかに?

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