前月から横ばいとなった景気動向指数の先行きをどう見るか?
本日、内閣府から4月の景気動向指数公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数が前月から+2.1ポイント上昇の102.9を示し、CI一致指数は前月から横ばいの96.8を記録しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
4月の景気一致指数、横ばい 基調判断は据え置き
内閣府が7日発表した4月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比横ばいの96.8となった。QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.1ポイント低下だった。数カ月後の景気を示す先行指数は2.1ポイント上昇の102.9だった。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。
コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

ということで、4月統計についてCI一致指数を構成する系列を詳しく見ると、プラスの寄与が大きい順に、投資財出荷指数(除輸送機械)+0.30ポイント、商業販売額(小売業)(前年同月比)+0.24ポイント、有効求人倍率(除学卒)+0.17ポイント、などとなっています。他方、マイナス寄与が大きいのは、輸出数量指数▲0.32ポイント、鉱工業用生産財出荷指数▲0.21ポイント、生産指数(鉱工業)▲0.20ポイント、などが目立っています。CI一致指数は前月から横ばいですたが、基調判断は「拡大」で据え置かれています。
景気動向については、3月統計公表時には、3月21日でまん延防止等重点措置が解除され、消費のリバウンドなどにより「改善」を続ける可能性が高いと考えていたのですが、なんと、輸出が足を引っ張ってCI一致指数は前月から横ばいでした。景気の先行きに関しては、私自身は割合と楽観しています。すなわち、ブースター接種が効果を現し始めており、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の国内新規感染者数が足元でかなり減少しています。国内だけでなく、中国でも上海がロックダウンが解除されています。他方で、ウクライナ危機は長引きそうだと報じられています。ただし、私自身は国内のインフレや円安には楽観的ですが、メディアの報道などからマインドに悪影響を及ぼす可能性もなしとはしません。ですから、景気の先行きリスクはニュートラルと私は見込んでいます。先月時点ではやや下方のリスクの方が大きいと感じていたのですが、ビミョーに修正したいと思います。
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