5月統計の景気動向指数の基調判断は「改善」続くも先行きはニュートラル!!!
本日、内閣府から5月の景気動向指数公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数が前月から▲1.5ポイント下降の101.4を示し、CI一致指数も▲1.3ポイント低下の95.5を記録しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
5月の景気一致指数、1.3ポイント低下 基調判断は据え置き
内閣府が7日発表した5月の景気動向指数(CI、2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.3ポイント低下の95.5となった。QUICKがまとめた市場予想の中央値は1.3ポイント低下だった。数カ月後の景気を示す先行指数は1.5ポイント低下の101.4だった。
内閣府は、一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出する。月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。
コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

ということで、5月統計についてCI一致指数を構成する系列を詳しく見ると、マイナスの寄与が大きい順に、耐久消費財出荷指数▲0.66ポイント、鉱工業用生産財出荷指数▲0.50ポイント、 生産指数(鉱工業)▲0.49ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)▲0.41ポイント、などとなっています。他方、プラス寄与が大きいのは、商業販売額(卸売業)(前年同月比)+0.31ポイント、輸出数量指数+0.18ポイント、有効求人倍率(除学卒)+0.16ポイント、などが目立っています。CI一致指数は前月から低下しましたが、基調判断は「改善」で据え置かれています。
景気動向については、先月の4月統計公表時には、上海のロックダウンなどにより輸出が足を引っ張ってCI一致指数は前月から横ばいで、5月統計では輸出の影響もあって出荷や生産がマイナスに転じました。ただ、景気の先行きに関しては、私自身は割合と楽観しています。すなわち、輸出は中国でのロックダウンが6月から解除されたことにより回復に転じると見込まれますし、足元で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の国内新規感染者数が拡大しているとはいえ、まだ行動制限を伴う措置が取られているわけではありません。他方で、ウクライナ危機は長引きそうだと報じられています。ただし、私自身は国内のインフレや円安には楽観的ですが、参議院議員選挙結果がどうなるかにもよりますが、メディアの報道などからマインドに悪影響を及ぼす可能性もなしとはしません。特に、与党が勝利した時こそ、メディアの批判が高まる可能性があります。ですから、景気の先行きリスクはニュートラルと私は見込んでいます。
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