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2022年8月24日 (水)

上場企業の女性役員は増加しているのか?

昨日、8月23日付けで東京商工リサーチから「2021年度決算『女性役員比率』調査」の結果が明らかにされています。上場企業3,795社中、女性役員は641人増の3,575人で、役員に占める比率は9.0%に達し、昨年度の7.4%から大きく上昇しているものの、まだまだ低い水準にあります。

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まず、東京商工リサーチのサイトから、最近5年間における上場企業の女性役員数と比率の推移のグラフを引用すると上の通りです。繰り返しになりますが、上場企業における女性役員比率は9.0%で、昨年度の7.4%から1.6%ポイント上昇したものの、まだまだ低い水準と考えざるを得ません。一方、女性役員がゼロは1,443社で、上場企業全体の38.0%にとどまっていて、しかも、昨年度の45.7%から▲7.7%ポイント低下しています。

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続いて、東京商工リサーチのサイトから、最近3年間における上場企業の産業別女性役員比率の推移のグラフを引用すると上の通りです。東京商工リサーチの分類による10産業すべてで4年連続で女性役員比率が上昇しています。ふたたび、女性役員ゼロの企業に着目すると、不動産業の44.8%で女性役員がゼロであり、続いて、卸売業43.8%、運輸・情報通信業40.1%などとなっています。まあ、上のグラフの印象通りかという気がします。ただ、初めてすべての産業で50%を下回ったそうです。また、上場市場ごとの女性役員比率を見ると、東証プライムが11.4%、スタンダードが5.7%、グロースが9.2%などとなっています。

企業における女性役員比率をはじめとしたジェンダー・ギャップは日本がもっとも先進国の中で劣後している分野のひとつです。日本企業の競争力の低下の一因ではないか、と私は考えています。

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コメント

確かに少ない。昔勤めた会社でも、見知った中では女性候補は一人です。彼女は、現首脳陣から意図的に引き上げられています。そうでもしないと、叩き上げ女性役員はゼロですからね。

投稿: kincyan | 2022年8月25日 (木) 04時35分

>kincyanさん
>
>確かに少ない。昔勤めた会社でも、見知った中では女性候補は一人です。彼女は、現首脳陣から意図的に引き上げられています。そうでもしないと、叩き上げ女性役員はゼロですからね。

やっぱり、そうなんでしょうね。
私が定年まで勤めた役所では、たぶん、民間大手企業よりは女性が高位高官に進んでいたような気がします。私の2-3年後には女性キャリアがかなり採用されていましたから、課長級止まりの私なんぞをはるかに抜いて昇進し、局長級まで務めた女性は何人もいました。

投稿: ポケモンおとうさん | 2022年8月25日 (木) 08時27分

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