リクルートによる8月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
来週9月30日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる7月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

まず、いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの時給の方は、前年同月比で見て、今年2022年4月+1.5%増、5月+2.8%増、6月+1.8%増、7月+1.2%増の後、8月も+2.3%増となっています。5月の+2.8%増がやや外れ値なのか、と考えないでもなかったのですが、8月も+2%超を記録しています。ただし、2020年1~4月のコロナ直前ないし初期には+3%を超える伸びを示したこともありましたので、この面からももう一弾の伸びを期待してしまいます。でも、時給の水準を見れば、昨年2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、かなり堅調な動きを示しています。最低賃金が時給当たりで約30円ほど上昇しますので、その影響がどのように出るか見極めたいと思います。他方、派遣スタッフの方は今年2022年4月+1.3%増、5月は横ばい、6月+0.8%増、7月+1.5%増の後、8月は+3.4%増と、足元で伸びを高めています。
まず、アルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、7月には+2.3%、+26円増加の1,134円を記録しています。職種別では、「営業系」(+82円、+6.7%)、「事務系」(+57円、+4.7%)、「フード系」(+46円、+4.5%)、、「専門職系」(+48円、+3.7%)、「製造・物流・清掃系」(+30円、+2.7%)、「販売・サービス系」(+2円、+0.2%)、とすべて職種で増加を示しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての地域でプラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、7月には+1.5%、+23円増加の1,591円になりました。職種別では、「クリエイティブ系」(+62円、+3.4%)、「製造・物流・清掃系」(+35円、+2.7%)、「営業・販売・サービス系」(+34円、+2.4%)、「オフィスワーク系」(+28円、+1.8%)、「医療介護・教育系」(+21円、+1.5%)、とすべてプラスとなっています。派遣スタッフの6つのカテゴリを詳しく見ると、「IT・技術系」の時給だけが2,000円を超えていて、段違いに高くなっていて、全体と比べて伸びが小さくなっています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての地域でプラスとなっています。
基本的に、アルバイト・パートも派遣スタッフもお給料は堅調であり、足元では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の新規感染者数や死者数が増加しているものの、最近までの順調な景気回復に伴う人手不足の広がりを感じさせる内容となっています。ただ、日本以外の多くの先進国ではインフレ率の高まりに対応して金利引上げなどの引締め政策に転じていることから、世界経済が景気後退の瀬戸際にあることは確実であり、また、国内でのCOVID-19の感染拡大も高止まりしており、今後の日本国内の雇用の先行きについては不透明であり、まだ下振れ懸念が残ります。
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