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2022年10月18日 (火)

アジア経済にはこれからも逆風が続くのか?

先週10月13日付けのIMF Blogで、Asia Sails Into Headwinds From Rate Hikes, War, and China Slowdown と題して、アジア経済の減速に焦点を当てています。簡単に取り上げておきたいと思います。

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まず、IMF Blogのサイトから Economic forecast: Asia and the Pacific を引用すると上の通りです。いうまでもなく、World Economic Outlook, October 2022 からの抜粋であり、特に、アジア経済の下方修正幅が大きいという気はしませんが、逆風の要因として3点上げています。タイトル通り、利上げ、戦争、中国の減速、です。ですから、結論を先取りすれば、"Strong international cooperation is needed to prevent greater geoeconomic fragmentation and to ensure that trade aids growth. There is an urgent need for ambitious structural changes to boost the region's productive potential and address the climate crisis." ということになります。

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続いて、IMF Blogのサイトから Above and below を引用すると上の通りです。やや拡張されたフィリップス曲線と考えるべきです。すなわち、通常は、フィリップス曲線とは縦軸に賃金上昇率/物価上昇率を取り、横軸に失業率を取って、マイナスの傾きある曲線から縦軸変数と横軸変数の間のトレードオフを明らかにするわけですが、上のグラフでは、縦軸はほぼほぼそのままな一方で、横軸にはGDPギャップを取っていますので、失業率とは正負の符号が逆でトレード・オフではなく、両者の関係は正の相関で示されています。赤丸が利上げ済み、灰色が利上げ未実施です。大雑把に右上の諸国は利上げに踏み切り、左下の日中2国だけは利上げしていません。中国はいわゆるゼロコロナ政策で経済が停滞しており、我が国もインフレ率の水準からして利上げは間違った政策対応だと私は考えています。

すでに、アジアのみならず、世界に於ける経済的なウェイトとして、日本ではなく中国の方が重要性高いのは判りきった事実なのですが、それでも、順調な成長を実現して最終需要の一部なりとも引き受けるという形で、日本としてのアジア経済への貢献は必要ではないか、と考えています。

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