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2022年10月17日 (月)

円安なのかドル高なのか、金融政策は引締めに転じるべきか?

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世間では、私以外のエコノミストをはじめとして、円ドル為替相場に大きな関心が集まっており、メディアでも円安に関して大きく広く報じられています。今年に入ってからの円ドル為替相場の推移は日次データで見て上の通りです。
為替相場については、極超短期にはランダムウォークしそうな気がするのですが、基本的には、短期には金利差に反応して外貨市場の需給で決まり、長期には物価上昇率の差に反応して購買力平価が成り立つ、とされています。そこで、10月14日つけIMF blogの記事 How Countries Should Respond to the Strong Dollar から Dollar surge と題する今年に入ってからの米ドルと各国通貨の為替相場の減価率のグラフを引用すると下の通りです。

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日本は政策金利がゼロに張り付いたままですので、米国との金利差も大きく、したがって、円の減価率が先進国の中でも最大を記録しています。しかし、逆から見て、購買力平価の観点からは、ほかの先進各国と比較すれば相対的に物価が安定しており、長期的には円高要因となる可能性は否定できません。もちろん、それほど期待ができるわけではありません。

目先の為替相場次第では、カッコ付きで「激変緩和」のためのスムージング・オペレーションとして為替介入の必要性が生じる可能性は否定しませんが、少なくとも、現在の+3%程度の物価上昇率で金融政策を引締めに転じるのはハッキリと間違いだと私は思います。

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