帝国データバンク「『食品主要105社』価格改定動向調査」の結果やいかに?
10月1日付けで、帝国データバンクから「『食品主要105社』価格改定動向調査」の結果が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。まず、調査結果を3点帝国データバンクのサイトから引用すると以下の通りです。
調査結果
- 輸入小麦・原油価格など主な値上げ要因は沈静化の兆し、電気代など新たな値上げ要因に注目
- 10月は年内値上げのピークに 値上げ6700品目は今年最多規模
- 乳製品で11~12月に値上げ相次ぐ 生乳価格上昇でパック牛乳など対象
従来から、10月1日には大幅値上げが実施されるとされていて、とても気になるところです。リポートから図表を引用しつつ簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、リポートから 2022年の食品値上げ(9月30日時点)品目数/月別 を引用すると上の通りです。あくまで対象は主要飲食料品メーカー105社なのですが、それでも、10月の値上げ品目数は6,699品目となり、直前の8~9月に比べて2倍を超える品目が値上げされる予定です。なお、9月までに値上げされたのは1万3066品目あり、年内に値上げが予定・計画されているのが2万665品目となっています。加えて、平均値上げ率は14%に達しています。モノにもよりますが、一般に、食品は選択性が乏しく、逆に、必需性が高くて代替性が小さいことから、食品価格の上昇は家計に厳しく、しかも、低所得家計ほど逆進的に負担が大きい、と考えるべきです。
リポートから 主な食品分野 価格改定の動向 を引用すると上の通りです。見れば明らかな通り、食品分野別に値上げとなった品目の中でもっとも多いのは加工食品で年内8,530品目に上ります。値上げ幅も16%と最大となっています。続いて、調味料では4,808品目、15%、酒類・飲料3,970品目、15%、菓子1,332品目、13%、そして、乳製品985品目、12%となっています。乳製品だけ少し文字色をつけているのは、前月から285品目の増加となっているほか、輸入飼料の価格高騰などを背景に、飲用・発酵乳用途向けの生乳取引価格が11月以降引き上げられる予定となっているからだそうです。
何度も繰り返しますが、インフレ対策としては、政府が市場価格に介入して、すなわち、供給サイドの企業に補助金を出す形で価格を抑制するのではなく、所得や消費に応じて需要サイドの中小企業や家計に必要な支援を行うのが望ましいと私は考えています。例えば、食料品ではなく燃料を考えれば明白ですが、価格を抑制するために化石燃料消費に補助を出すのは気候変動=地球温暖化に補助を出しているようなものです。こういった観点も必要です。
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