ふたたび、今年のベスト経済書やいかに?
先週の11月3日文化の日にポストしたように、予想通り、というか、何というか、今年も経済週刊誌のベスト経済書のアンケートが来ました。候補書として150冊あまりがリストアップされていましたが、文化の日に私がお示しした10冊のチョイスの中で、漏れていたのは2冊めの福田慎一[編]『コロナ時代の日本経済』(東京大学出版会)だけでした。なぜ漏れたかの理由はよく判りません。純粋に学術書なので、その経済週刊誌の読者層にマッチしない、という判断かもしれません。なお、的外れと指摘しておいた2冊も、ちゃんと、候補書リストに入っていました。まあ、当然でしょう。
今日のところは、3点だけ指摘しておきたいと思います。第1に、文化の日11月3日に私が10冊リストアップした中で、マリアナ・マッツカート『ミッション・エコノミー』(NewsPicksパブリッシング)が漏れていました。米国1960年代の「アポロ計画」を引き合いに出して、政府と企業がミッションを軸にコラボ=共同作業を行う経済の重要性を指摘しています。送られてきたアンケートの候補書リストを見て、私がこれを忘れていた点に気付かされました。この本は、私の見方からすれば、文句なく今年の経済書トップテンに入るべきです。第2に、候補書リストを見て、ダニエル・カーネマンほか『NOISE』(早川書房)を、私はまだ読んでいない点に気づきました。早速に、大学の図書館で借りました。第3に、前回のポストの直後に、日経・経済図書文化賞が明らかにされ、長岡貞男『発明の経済学』(日本評論社)ほか全5冊に授与されています。少なくとも、この5冊のうち、『発明の経済学』と渡辺努『物価とは何か』(講談社)は私は読んでいます。でも、10冊には入れませんでした。それはそれで、私の考え方です。
最後に、さて、どれをベスト経済書に回答しようかと迷っていると、何と、私が昨年のアンケートに回答した野口旭先生の『反緊縮の経済学』(東洋経済)が候補書リストに入っていました。しかも、「半緊縮の経済学」と間違ったタイトルになっています。改めてこの本の奥付を見ると、2021年8月19日発行となっていて、私は出版直後の9月11日付けの読書感想文ブログで取り上げています。ホントに今年2022年の候補書リストに入れていいのかしらん、でも、許されるなら今年ももう一度、この本で出してみようかしらん、と考えないでもありません。
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