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2022年12月 7日 (水)

2か月連続で下降を示した景気動向指数CI一致指数をどう考えるか?

本日、内閣府から10月の景気動向指数公表されています。統計のヘッドラインを見ると、CI先行指数が前月から+0.8ポイント上昇の99.0を示した一方で、CI一致指数は▲0.9ポイント下降の99.9を記録しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

10月景気動向指数、2カ月連続悪化 電子機械振るわず
内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(CI、2015年=100)の速報値は、足元の経済状況を示す一致指数が前月比0.9ポイント低い99.9だった。悪化は2カ月連続となった。
中国・上海市の都市封鎖(ロックダウン)が6月に解除されて以降、部品不足の解消で回復が続いたが、電子機械などで反動が出た。海外経済減速への警戒感も影響した。
内閣府は指数をもとに機械的に作成する景気の基調判断を「改善を示している」のまま据え置いた。9カ月連続で同じ判断とした。
一致指数を構成する10項目のうち集計済みの8項目を見ると、5項目が下落、3項目が上昇要因となった。電子機械や半導体製造装置などで生産と出荷ともにマイナスに寄与した。
小売業と卸売業の販売も低下した。10月は食料品を中心に幅広い品目で値上がりがあったことが影響したとみられる。
2~3カ月後の景気を示す先行指数は0.8ポイント上昇し99.0だった。改善は2カ月ぶり。
乗用車などで出荷が進み最終需要財の在庫の減少が指数の上昇に寄与した。今後は米欧の金融引き締めによる海外景気の減速などが下振れリスクになる可能性がある。

いつもながら、コンパクトによく取りまとめられた記事だという気がします。次に、景気動向指数のグラフは下の通りです。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた期間は景気後退期を示しています。

photo

10月統計のCI一致指数については、2月連続の下降ながら、3か月後方移動平均も7か月後方移動平均も、ともに、上昇を続けています。したがって、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「改善」で据え置いています。また、CI一致指数を構成する系列を詳しく見ると、マイナスの寄与が大きい順に、生産指数(鉱工業)▲0.42ポイント、投資財出荷指数(除輸送機械)▲0.34ポイント、耐久消費財出荷指数▲0.18ポイント、商業販売額(卸売業)(前年同月比)▲0.18ポイントなどとなっています。他方、プラス寄与は、大きなものでは有効求人倍率(除学卒)+0.16ポイントくらいです。
景気の先行きについては、国内のインフレや円安の景気への影響については楽観的に私は見ています。特に、CI先行指数は上昇していますので、たとえ、CI一致指数が2か月連続で下降していても、決して悲観する必要はないと受け止めています。ただし、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大は反転増加した可能性が指摘され、第8波に入っているかもしれません。海外要因についても、欧米をはじめとする各国ではインフレ対応のために金融政策が引締めに転じていて、米国をはじめとして先進国では景気後退に向かっている可能性が十分あります。ですから、全体としては、先行きリスクは下方に厚い可能性があると考えるべきです。

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