国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し改定」やいかに?
昨日、シンガポールにおいて国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し改定」World Economic Outlook Update が公表されています。IMFのサイトから成長率見通しの総括表を引用すると上の通りです。
現在のインフレは2023~24年にかけて低下するものの、平均的な成長率には達しない、と見込まれています。世界経済の成長率は今年2023年+2.9%と、昨年2022年10月時点の見通しから+0.2%ポイント上方改定されています。日本の成長率見通しも同じように、2023年1.8%と前回見通しよりも+0.2%ポイントの上方改定となっています。2023年の成長率見通しを国別に見ると、米国が+0.4%ポイント上方改定されて+1.4%、また、中国が+0.8%ポイント上方改定されて+5.2%となったあたりが寄与度が大きそうです。特に中国は0コロナ制作からの転換が成長率の上昇をもたらしている可能性があります。以下、リポートから少し引用しつつ、私なりに重点を振り返りたいと思います。
世界経済のインフレ率は、現在の+10%近い水準から、2023年+6.6%、2024年+4.3%に低下すると見込んでいますが、まだ新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミック前と比較すると+3.5%ポイント高い、と指摘しています。加えて、先行きに関しては、"The balance of risks remains tilted to the downside" としており、インフレ率は低下するとしつつも、生計費危機については、"amid the cost-of-living crisis, the priority remains achieving sustained disinflation" であると指摘しています。
最後に、私は、実は、「危機」crisis というのであれば、生計費もさることながら、現在の金融引締めが流動性供給や資金調達に影響して、小規模なものかもしれないとしても、何らかの金融的な不安定につながる懸念を持っているのですが、リポートでも "With tighter monetary conditions and lower growth potentially affecting financial and debt stability" と指摘しています。これはご参考です。
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