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2023年6月22日 (木)

世界経済フォーラムの Global Gender Gap Report 2023 に見る日本の男女平等はなぜ進まないのか?

昨日6月21日、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムから Global Gender Gap Report 2023 が明らかにされています。もちろん、pdfの全文リポートもアップされています。もうすでに広く報じられているところですから、改めて取り上げるまでもありませんが、我が日本は調査対象の146か国中の125位、昨年の116位からさらに順位を落としています。

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リポート p.217 から日本の国別プロファイルを引用すると上の通りです。男女が完全に平等とした場合を1スコアが0.647、順位が125位となっています。スコアを政治、経済、教育、健康の4つのセグメントに分割した場合のチャートがあり、教育と健康はまだいいとしても、企業の女性管理職や役員が少ない、また、国会議員の女性比率が低い、などの理由で政治と経済の分野で極端に低いスコアとなっています。先進国感でも決定的にスコアが低くなっています。例えば、このスコアを2006年から時系列データとしてプロットした主要7カ国の男女平等達成率の推移のグラフを朝日新聞のサイトから引用すると下の通りです。

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従来からの私の主張を2点だけ繰り返しておきたいと思います。第1に、多様性の欠如が我が国経済の最大の弱点のひとつであり、女性を管理職や役員に無理矢理にでも登用すれば、日本経済の活力がかなりの程度に戻り、成長率も回復すると考えるべきです。しかし、既得権勢力の中年男性の反対が強いことは認識しています。第2に、女性活躍の拡大だけでなく、いろんな課題を解決するためには、意識改革などの人のココロの問題では解決しません。制度的な裏付けや場合によっては強制力も必要です。少なくとも、このままでは経済的には日本が先進国から滑り落ちる日も遠くないと危惧しています。20世紀から今世紀にかけての世界経済で先進国から経済が後退した例としてはアルゼンチンに続いて日本が2国目となる可能性すらあります。

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