内閣府による「満足度・生活の質に関する調査報告書2023」を読む
さて、そろそろ、「経済財政白書」が公表されるタイミングではないかと考えて、閣議がある火曜日と金曜日は内閣府のサイトを見るようにしているのですが、昨日8月1日(火)の定例閣議にはまだ「経済財政白書」は案件に入っていませんでした。その副産物というか、何というか、やや旧聞に属するトピックながら、先週月曜日の7月24日に内閣府から「満足度・生活の質に関する調査報告書2023」が公表されているのを目にしました。全文リポートもアップロードされていますが、概要リポートからいくつかグラフを引用して、まあ、「経済財政白書」が公表されるまでのつなぎといっては、何なんですが、簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、概要リポートから p.3 図表1-4「生活満足度」の推移 (雇用形態別) を引用すると上の通りです。毎年2月の調査ですので、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響は2021年に明瞭に出ていますが、正規・非正規の雇用形態別の生活満足度は、常に正規の方が高く、しかも、COVID-19のネガティブな影響は非正規の方に大きく出ている、と考えるべきです。逆の方向から見れば、COVID-19の影響緩和に対する政府や企業の取組みは、特に、非正規雇用向けには不十分だった、と見られます。
まず、概要リポートから p.6 図表4-1世帯構成と「生活満足度」 の性別のグラフを引用すると上の通りです。40-64歳の単身世帯の男性のコーホートで極端なくらいまでに生活満足度が低くなっているのが見て取れます。一般に、男女とも単身世帯の生活満足度は低いのですが、特に中年男性のコーホートではそうなっているわけです。
もちろん、この単身世帯の中年男性はすべて非正規雇用であると主張するつもりはありませんが、生活満足度も考え合わせれば、非正規雇用の比率が高い可能性が想像されるのではないでしょうか。また、別の面を考えると、私自身は少子高齢化との関係で、婚外子の割合が極端に少ない我が国では、少なくとも、現在の政府が考えているような結婚しているカップルに対する子育て支援よりは、結婚していない男女に対して結婚へ進む支援、その前提として、男女ともに正規の職につける支援が少子化対策として有効である可能性が高いのではないか。と考えています。男女ともに正規雇用の職に就くことにより所得を確保し、同時に、生活満足度も引き上げられ、もちろん、結婚に進み少子化の進行に歯止めをかける、という政策はいかがなもんなんでしょうか?
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