« 伊藤投手が完封勝利でマジック26 | トップページ | 映画「リボルバー・リリー」を見る »

2023年8月21日 (月)

やっぱりリモート学習は到達度が低いのか?

今月8月に入って、NBERから "Who Benefits from Remote Schooling? Self-Selection and Match Effects" と題するワーキングペーパーが明らかにされています。リモート学習/オンライン授業に関して米国ロサンゼルスのデータを基に、a negative average effect of remote learning と結論しています。

photo

上のテーブルは、ワーキングペーパーから Table 1: Effects of Remote Learning を引用しています。一応、念のため、黄色のハイライトは引用者によるものです。まあ、日本ではオンライン授業と呼ばれていますが、このペーパーではリモート学習 Remote Learning と呼んでいます。結論として、日本の科目でいえば国語に近いリーディングでは▲0.144標準偏差分、数学では▲0.168標準偏差分ベースラインを下回っている、という結果です。日本的な偏差値に引き直せば、リーディングで▲1.44、数学で▲1.68だけリモート学習/オンライン授業の到達度が低い、という結果です。もっとも、平均的にはこのような結果で、それはそれとして理解できるところですが、リモート学習に対する要求がもっとも強い親を持つ子供 children whose parents have the strongest demand for remote learning については、逆のポジティブで高い到達度を達成するという結果が出ています。一般的・平均的には、リモート学習/オンライン授業だと到達度が低くなるというのは、それなりに理解できることですが、逆に何らかのメリットを享受しているグループもあるわけです。この研究でのスコープ外ですが、リモート学習/オンライン授業を十分に活用するためには何が必要か、という研究が今後求められることになります。

|

« 伊藤投手が完封勝利でマジック26 | トップページ | 映画「リボルバー・リリー」を見る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 伊藤投手が完封勝利でマジック26 | トップページ | 映画「リボルバー・リリー」を見る »