日銀「さくらリポート」に見る地域経済やいかに?
先週木曜日の10月19日、日銀から2023年10月の「地域経済報告 (さくらリポート)」が公表されています。まず、日銀のサイトから各地域の景気の総括判断を引用すると以下の通りです。
各地域の景気の総括判断
海外経済の回復ペース鈍化や物価上昇の影響を受けつつも、すべての地域で、景気は持ち直し、ないし、緩やかに回復している。
続いて、各地域の景気の総括判断と前回との比較のテーブルは以下の通りです。
【2023年7月判断】 | 前回との比較 | 【2023年10月判断】 | |
北海道 | 緩やかに持ち直している | ↗ | 持ち直している |
東北 | 一部に弱さがみられるものの、基調としては緩やかに持ち直している | ↗ | 持ち直している |
北陸 | 持ち直している | ↗ | 緩やかに回復している |
関東甲信越 | 持ち直している | ↗ | 緩やかに回復している |
東海 | 持ち直している | → | 持ち直している |
近畿 | 一部に弱めの動きがみられるものの、持ち直している | → | 一部に弱めの動きがみられるものの、持ち直している |
中国 | 緩やかに持ち直している | ↗ | 緩やかに回復している |
四国 | 緩やかに持ち直している | ↗ | 持ち直している |
九州・沖縄 | 緩やかに回復している | → | 緩やかに回復している |
見ての通りで、「各地域の景気の総括判断」に引用した通り、全国多くの地域で景気の総括判断が引き上げられています。東海と近畿と九州・沖縄の3ブロックは7月から横ばいですが、ほかの6ブロックは景気判断が引き上げられています。内需も外需もそれなりの回復を見せた結果であると私は受け止めています。需要サイドでは、消費については食料品などのインフレの影響は無視できないものの、インバウンド需要の本格化に伴う拡大効果もあり、飲食・宿泊といったサービスを中心に回復を見せています。また、投資は人で不足に加えて、企業の収益回復や脱炭素・DXの機運上昇が追い風となって増加しています。また、供給サイドでは、生産については金融引締めによる海外経済の減速の影響はあるものの、自動車の半導体などの供給制約の緩和などを受けて、横ばい圏内で推移しています。
先行きについては、NHKの報道で見かけたのですが、日銀大阪支店長が「この先どうなるかは、物価の上昇を上回って雇用と所得環境の改善が続くのかに大きく依存してくると思う。」と発言しているようです。私も同感です。
| 固定リンク
コメント