エネルギー会社への補助金政策は何が問題なのか?
先週水曜日11月8日にニッセイ基礎研究所から『基礎研REPORT』(冊子版)2023年11月号[vol.320]が明らかにされていて、その中に「補助金政策の問題点 - 高所得者ほど負担軽減額が大きくなる」と題するリポートが収録されています。私も従来から物価高対策としてエネルギー会社、大雑把に石油元売各社と電力各社に補助金を交付するのは、ハッキリ誤りだと考えています。
ニッセイ基礎研究所のリポートが最大限に批判するのは、高所得者ほど負担軽減額が大きくなる点です。この逆進性を別としても、極めてシンプルに、というか、経済学的な合理性とか効率性とか、あるいは、経済を離れても論理性や何やかやを無視して、私の経済政策に関する好みとして理由は3点あります。第1に、企業ではなく国民を対象にする経済政策を目指すべきです。第2に、選別主義ではなく普遍主義に立脚すべきです。第3に、最後に、エネルギー価格を抑制することはエネルギー消費の抑制、ひいては、気候変動の抑制に反します。ニッセイ基礎研究所のリポートの結論は、「低所得者層により手厚い支援が可能な所得制限付きの給付金支給」としていますが、消費税率の引下げがもっとも望ましいと私は考えています。なお、ニッセイ基礎研究所のリポートから逆進性を示すグラフ 所得階級別・負担軽減額(エネルギー関連) を引用すると下の通りです。
ここ半年ほどの野党左派リベラル政党の経済政策をいくつか見て回ったのですが、先の通常国会終盤に立憲民主党が議員立法として提出した「消費税還付法案」は論外です。消費税をタイトルに打ち出していても、実は単なる所得税の減税と同じです。何よりも、10年も前に「消費税逆進性対策」として東京財団が打ち出した政策提言そのままな気がします。まさかと思いますが、参考にしたりしているのでしょうか。次に、日本共産党の経済再生プランは大きくマシです。でも、アベノミクスに対する脊髄反応的な嫌悪感があるのか、p.11の金融政策に関する低金利政策に対する敵視には辟易します。国民の支持が得られるかは不明です。最後に、れいわ新選組については、2年前の「2021年衆議院選挙マニフェストれいわニューディール」くらいしか、まとまった経済政策パッケージがネット上に見当たらなかったので論評は控えるべきか、という気がします。
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