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2023年12月15日 (金)

リクルートのブライダル総研による「恋愛・結婚調査2023」の結果やいかに?

今週火曜日の12月12日にリクルートのブライダル総研から「恋愛・結婚調査2023」の調査結果が明らかにされています。西暦の期数年に実施されている隔年の調査です。まず、リポートから調査結果のサマリーを5項目引用すると以下の通りです。

恋愛・結婚調査2023
  • 20~40代の未婚者の中で恋人がいる人の割合は 29.7%。男女共に交際経験なしの割合が増加
  • 恋愛イメージを探ると「恋愛するなら結婚のため」という価値観が20代男女の中で広がっている
  • 結婚意向は未婚者全体で減少。また、男女で比較すると女性の方が減少幅が大きい
  • 結婚したくない理由は男性は「金銭的理由」や「扶養の責任への負担」の理由が強く、女性は「行動や時間の制限」「必要性を感じない」ことが理由として高い
  • 「職場状況や働き方」と「結婚意向」に関係がある

日本の現在の少子高齢化の大きな原因の一つである非婚化や晩婚化について考える上で、恋愛観や結婚観を確認することは極めて重要ですし、加えて、私が相手にしている大学生の近未来を見るという意味もあって、リポートから図表を引用しつつ簡単に見ておきたいと思います。

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まず、上のグラフはリポートから 恋人がいる人の割合 を引用しています。というか、実際には、恋人がいない人の割合が強調されています。2017年からのデータを見て、年を追うごとに恋人がいない割合がジワジワと増加しており、特に、男性ではとうとう2023年調査で¾を超えました。昔ながらのお見合いから結婚に至るルートが年々狭まっている気がしますから、恋愛から結婚に至るルートが同様に狭まると、ますます非婚化が進む懸念が大きくなります。

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続いて、上のグラフはリポートから 結婚意向がある人の割合 を引用しています。女性にはそれなりに「結婚願望」のようなものが男性に比べれば高かったのですが、上のグラフでいえば「(いずれは)結婚はしたい」の割合がここ数年で急速に低下しているのが見て取れます。男性は恋愛せず、女性は結婚意向が低下する、という流れになっているのが調査結果から翌理解できると思います。

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続いて、上のグラフはリポートから 結婚したくない理由・男女別のTOP5 を引用しています。男女を通じたトップは「金銭的に余裕がなくなるから」36.4%で、その次が「行動や生き方が制限されるから」35.8%となっていて、3番めの「メリットを感じないから」は24.8%と大きく差を開けられています。性別に見ると上のグラフの通り、男性は「金銭的に余裕がなくなるから」、女性は「行動や生き方が制限されるから」が、それぞれトップとなっています。

前々から私が主張しているのは、日本は他の先進国に比較して、極端に婚外子が少なく、これはこれで望ましい美点だろうと私は考えていますから、少子化を反転させるためには男女が結婚に向かう、というか、目指す必要があると考えています。例えば、現在の岸田内閣が志向しているように、子供を産んでからの子育て対策ももちろん重要なのですが、その前の結婚を成立させるための独身者への何らかの政策も考慮されるべきではなかろうか、と感じます。

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