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2024年2月26日 (月)

1月の企業向けサービス価格指数(SPPI)は6か月連続で+2%台の上昇が続く

本日、日銀から昨年1月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は前月から▲0.3%ポイント上昇率が縮小して+2.1%を記録し、変動の大きな国際運輸を除くコアSPPIについても前月から伸びが縮小して+2.1%の上昇を示しています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、1月2.1%上昇 伸びは鈍化
日銀が26日発表した1月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は109.8と、前年同月比2.1%上昇した。伸び率は23年12月より0.3ポイント縮小し4カ月ぶりに鈍化したが、6カ月連続で2%台で推移する。ソフトウエア開発や廃棄物処理などの幅広い分野で人件費を価格に反映する動きがみられた。
企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービスの価格変動を表す。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる。調査対象となる146品目のうち、価格が前年同月比で上昇したのは108品目、下落は22品目だった。
内訳をみると、宿泊サービスが前年同月比で27.0%上昇した。23年1月に政府の観光促進策「全国旅行支援」の割引が縮小して値上げした反動で23年12月(56.6%上昇)より伸び率が縮小したが、インバウンド(訪日外国人)の需要回復が下支えしたことで高い伸びが続いた。
情報通信は前年同月比2.2%上昇した。ソフトウエア開発や情報処理・提供サービスで賃上げやサーバーの管理費の値上げが寄与した。廃棄物処理も2.1%上昇した。燃料費や人件費の上昇を転嫁する動きが影響した。
外航貨物輸送も14.9%上昇した。円相場が24年1月(平均)では1ドル=146円台と、23年1月(1ドル=130円台)より円安が進んだことで円ベースの価格が上昇した。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルはヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、下のパネルは日銀の公表資料の1ページ目のグラフをマネして、国内価格のとサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。ただし、指数の基準年が異なっており、国内企業物価指数は2020年基準、企業向けサービス価格指数は2015年です。なお、影を付けた部分は、景気後退期を示しています。

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モノの方の企業物価指数(PPI)のトレンドはヘッドラインとなる国内物価指数で見る限り、上昇率としては2023年中に上昇の加速は終了し、2022年12月から指数水準として120前後でほぼほぼ横ばいとなっています。他方、その名の通りのサービスの企業向けサービス物価指数(SPPI)は、指数水準としてまだ上昇を続けているのが見て取れます。上のグラフで見ても明らかな通り、企業向けサービス価格指数(SPPI)のヘッドライン指数の前年同月比上昇率は、今年2023年8月から+2%台まで加速し、本日公表された1月統計では+2.1%に達しています。6か月連続で+2%台の伸びを続けています。ただし、+2%前後の上昇率はデフレに慣れきった国民マインドからすれば、かなり高いインフレと映っている可能性が高いながら、日銀の物価目標、これは生鮮食品を除く消費者物価上昇率ですが、物価目標の+2%近傍であることも確かです。加えて、下のパネルにプロットしたうち、モノの物価である企業物価指数のヘッドラインとなる国内物価のグラフを見ても理解できるように、インフレ率は高いながら、物価上昇がさらに加速する局面ではないんではないか、と私は考えています。繰り返しになりますが、ヘッドラインSPPI上昇率にせよ、国際運輸を除いたコアSPPIにせよ、日銀の物価目標とほぼマッチする+2%程度となっている点は忘れるべきではありません。
もう少し詳しく、SPPIの大類別に基づいて1月統計のヘッドライン上昇率+2.1%への寄与度で見ると、宿泊サービスや土木建築サービスや労働者派遣サービスなどの諸サービスが+0.84%ともっとも大きな寄与を示しています。ヘッドライン上昇率+2.4%の半分近くを占めています。ただし、先月の2023年12月統計からは寄与度として▲0.19%ポイント縮小しています。引用した記事にもある通り、全国旅行支援が終了した一方でインバウンドの寄与もあり、宿泊サービスは前年同月比で2023年12月+56.6%の上昇から、2024年1月は+27.0%に上昇率は縮小しましたが、依然として大きな上昇となっています。ほかに、ソフトウェア開発や情報処理・提供サービスやインターネット附随サービスといった情報通信が+0.48%、加えて、SPPI上昇率高止まりの背景となっている石油価格の影響が大きい外航貨物輸送や道路貨物輸送や道路旅客輸送などの運輸・郵便が+0.39%のプラス寄与となっています。運輸・郵便については、引用した記事にもあるように、円安の影響も見逃せません。リース・レンタルについても+0.19%と寄与が大きくなっています。

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