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2024年3月 6日 (水)

明後日3月8日は国際女性デー

明後日今週金曜日の3月8日は国際女性デー International Women's Day 2024 です。今年のテーマは 'Inspire Inclusion' となっています。これにあわせて、世銀から Women, Business and the Law 2024 と題するリポートが公表されています。広く知れ渡っている通り、平均寿命などのごく一部の健康や教育の指標を別にすれば、特に、政治・経済分野では我が日本の男女平等は先進国の中ではもっとも遅れているわけで、私は経済分野だけでも男女平等が画期的に進展すれば成長率がずいぶんと底上げされると考えているのですが、一応、簡単に日本の現状をカントリーノートで見ておきたいと思います。

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カントリーノートのスコア表は上の通りです。見れば判る通り、10の指標、すなわち、Safety; Mobility; Workplace; Pay; Marriage; Parenthood; Childcare; Entrepren eurship; Assets; Pension から構成されていて、それぞれは100点満点で評価され、3分野、すなわち、legal frameworks のスコアが 72.5、supportive frameworks のスコアは 67.5、expert opinions のスコアも 67.5 となっています。朝日新聞の記事「女性の法的保護、日本は73位 DVやセクハラ巡り未整備 世界銀行発表」に従えば、法的保護=legal frameworks のスコア 72.5 は世界190か国中の73位だそうです。

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リポート から p.68 FIGURE 3.2 | SUB-SAHARAN AFRICA AND THE MIDDLE EAST AND NORTH AFRICA HAVE THE LARGEST GAPS IN WBL 2.0 LEGAL FRAMEWORKS SCORES, EXCEEDING 60 POINTS を引用したのが上のグラフなのですが、法的保護=legal frameworks のスコア 72.5 は先進国の中では最低ですし、カントリーノートでも、"higher than the global average (64.2) and lower than the High income: OECD regional average (84.9)" と評価されています。他の2分野、すなわち、女性支援=supportive frameworks も 専門家評価=expert opinions も、我が国のスコアは途上国や新興国を含む世界平均を上回っている一方で、経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国の平均を下回っています。

私は1980年代の前半に大学を卒業して官庁で働き始め、1980年代後半のバブル経済のあだ花を経て1990年代初頭にバブルが崩壊し、その後、日本経済がほかの先進国に次々に劣後していくのを見てきました。今世紀に入って、GDP規模で中国に抜かれたのは仕方ないと感じる国民が多かった一方で、昨年2023年にはドイツにも再逆転されたのは、それなりに大きく報じられて瞠目したビジネスパーソンも少なくなかったと私は受け止めています。このまま男女格差を抱えて日本経済は沈んでゆくのでしょうか?

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