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2024年4月 9日 (火)

6か月連続で改善を示す3月の消費者態度指数をどう見るか?

本日、内閣府から3月の消費者態度指数が公表されています。3月統計では、前月から+0.5ポイント上昇し39.5を記録しています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数3月は39.5、19年5月以来の高水準 物価上昇予想も増
内閣府が9日公表した消費動向調査によると、3月の消費者態度指数(2人以上の世帯・季節調整値)は前月比0.5ポイント改善の39.5だった。指数は6カ月連続で上昇し、2019年5月以来の高水準となった。物価見通しでは、1年後は上昇するとの回答は合わせて92.4%で、3カ月連続で前月から増加した。
消費者態度指数を構成する4つの指標のうち「暮らし向き」は横ばいだったが、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」はそれぞれ上昇した。
内閣府は、消費者態度指数の基調判断を「改善している」で据え置いた。
1年後の物価の上昇率については、「5%以上」との回答の割合が2月の37.7%から40.8%に、「2%以上5%未満」が37.5%から38.3%にそれぞれ拡大した。一方、「2%未満」との回答は、16.3%から13.3%に減少した。

的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。影を付けた部分は景気後退期となっています。

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消費者態度指数は今後半年間の見通しについて質問するものであり、4項目の消費者意識指標から成っています。3月統計では、引用した記事にある通り、前月から横ばいの37.5だった「暮らし向き」を別にすれば、残りの3項目すべての指標において前月差で見て上昇しており、「耐久消費財の買い時判断」が+0.8ポイント上昇し34.0、「収入の増え方」が+0.7ポイント上昇し41.5、「雇用環境」も+0.7ポイント上昇し45.0となっています。消費者態度指数は、昨年2023年8~9月統計では2か月連続で低下していましたが、2023年10月統計から6か月連続の上昇を記録しています。統計作成官庁である内閣府では、基調判断を「改善している」と、先月から据え置いています。
引用した記事の最後のパラにあるように、高めの物価上昇率を見込む割合が高まっています。すなわち、今年2024年に入ってからの統計を見ると、+2%以上+5%未満の上昇を見込む割合は、1月36.1%、2月37.5%、3月38.3%と、じわじわと増加していますし、+5%以上の物価上昇を予想する割合は1月38.4%、2月37.7%に次いで3月は40.8%に達しました。日本経済研究センターのESPフォーキャストに示されたエコノミストの見方では、先行き、物価上昇率は縮小していくと見込まれているのですが、一般消費者のマインドは必ずしもそうなっていません。それにもかかわらず、6か月連続で消費者態度指数が改善している、というのもやや不思議な気がします。ただ、エコノミストの予想通りに物価上昇率が縮小していけば、消費者マインドもさらに改善に向かうことが期待されます。

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