リクルートによる3月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?
来週火曜日4月30日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる3月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、1月+3.3%増、2月+4.4%増の後、3月も+3.9%増となりました。先週公表された消費者物価指数(CPI)上昇率が3月統計でヘッドライン+2.7%、コア+2.6%でしたから、今年に入ってから、ようやく物価上昇率に追いついて、実質賃金がプラスに転じた可能性があるのではないか、と想像しています。募集時平均時給の水準そのものは、2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方は1月には+3.0%の伸びを記録しましたが、2月は+1.1%に鈍化し、さらに、3月は+0.4%まで落ちてきています。
三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、3月には前年同月より+3.9%、前年同月よりも+45円増加の1,188円を記録しています。職種別では、「専門職系」(+66円、+5.0%)と「事務系」(+52円、+4.3%)の伸びが高く、次いで「フード系」(+44円、+4.0%)、「販売・サービス系」(+40円、+3.6%)、「製造・物流・清掃系」(+32円、+2.8%)のあたりまで消費者物価を上回る伸びを示し、「営業系」(+11円、+0.9%)も含めて、すべての職種で上昇を示しています。加えて、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、3月には前年同月より+0.4%、+7円増加の1,635円になりました。職種別では、「製造・物流・清掃系」(+34円、+2.5%)、「営業・販売・サービス系」(+33円、+2.2%)「オフィスワーク系」(+28円、+1.8%)、「医療介護・教育系」(+16円、+1.1%)の4業種は前年比でプラスの伸びを示しましたが、「クリエイティブ系」(▲18円、▲1.0%)と「IT・技術系」(▲29円、▲1.3%)では減少を示しています。なお、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。
アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用は、従来から、低賃金労働であるとともに、「雇用の調整弁」のような不安定な役回りを演じてきましたが、アルバイト時給は上昇している一方で、派遣スタッフの方は伸びが縮小しています。我が国景気も回復・拡大局面の後半に差しかかり、あるいは、景気後退局面に近づき、雇用の今後の動向が気がかりになり始めるタイミングかもしれません。
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