まだまだ+2%超えが続く消費者物価指数(CPI)上昇率をどう見るか?
本日、総務省統計局から7月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は、季節調整していない原系列の前年同月比で見て、前月の+2.6%から小幅に上回り+2.7%を記録しています。日銀の物価目標である+2%以上の上昇は2022年4月から28か月、すなわち、2年余りの連続です。ヘッドライン上昇率も+2.8%に達しており、生鮮食品とエネルギーを除く総合で定義されるコアコアCPI上昇率も+1.9%と高止まりしています。まず、日経新聞のサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。
7月の消費者物価、2.7%上昇 エネルギーが押し上げ
総務省が23日発表した7月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が108.3となり、前年同月と比べて2.7%上昇した。エネルギー関連が全体を押し上げ、伸び率は前の月から拡大した。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は2.7%の上昇だった。2年11カ月連続で前年同月を上回った。
エネルギーの上昇率は12.0%と前月の7.7%から拡大した。電気代は22.3%の上昇で、1981年3月以来の上昇幅となった。23年1月に始めた政府の電気・ガス料金の負担軽減策がいったん終了した影響が反映された。
食料は2.9%上昇した。このうち穀類は4.2%上昇し、外食需要の高まりでうるち米(コシヒカリを除く)が18.0%上がった。コメの値上がりの影響で、せんべいは16.1%上昇した。
一方で宿泊料の上昇率は10.3%と、前月の19.9%と比べ縮小した。携帯電話の通信料も上昇率は0.6%となり、前月の8.8%から縮小した。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は1.9%上昇した。生鮮食品を含む総合指数は2.8%上昇した。
何といっても、現在もっとも注目されている経済指標のひとつですので、やたらと長い記事でしたが、いつものように、よく取りまとめられているという気がします。続いて、消費者物価(CPI)上昇率のグラフは下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI、それぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1ケタの指数を基に私の方で算出しています。丸めずに有効数字桁数の大きい指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。

まず、引用した記事にもあるように、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは+2.7%ということでしたので、実績の+2.7%はジャストミートしました。品目別に消費者物価指数(CPI)上昇率を少し詳しく見ると、まず、生鮮食料を除く食料の上昇が継続しています。すなわち、先月6月統計では前年同月比+2.8%、寄与度+0.68%であったのが、今月7月統計ではそれぞれ+2.6%、+0.63%と引き続き高い伸びを示しています。次に、エネルギー価格については、4月統計から前年同月比で上昇に転じ、本日公表の7月統計では+12.0%まで上昇が加速しています。ヘッドライン上昇率に対する寄与度も6月統計の+0.59%から7月統計では+0.90%まで拡大しています。引用した記事のタイトルの通りといえます。6月統計から7月統計への上昇幅拡大の+0.1%ポイントに大きく寄与していることは明らかです。特に、インフレを大きく押し上げているのは電気代であり、ヘッドライン上昇率に対する寄与で何と+0.73%に達しています。これも引用した記事で指摘されている通りであり、政府の電気・ガス料金の負担軽減策がいったん終了した影響が出ています。
私が注目している食料について細かい内訳をヘッドライン上昇率に対する寄与度で見ると、コアCPI上昇率の外数ながら、生鮮食品が野菜・果物・魚介を合わせて+0.33%あり、うち生鮮果物が+0.10%、生鮮野菜が+0.09%の寄与をそれぞれ示しています。繰り返しになりますが、生鮮食品を除く食料の寄与度も+0.63%あります。コアCPIのカテゴリーの中でヘッドライン上昇率に対する寄与度を見ると、せんべいなどの菓子類が+0.11%、焼肉などの外食が+0.11%、豚肉などの肉類が+0.10%、コシヒカリを除くうるち米などの穀類が+0.09%、おにぎりなどの調理食品が+0.08%、などなどとなっています。サービスでは、宿泊料の+0.11%を含めて教養娯楽サービスの寄与度が+0.30%、コア財では引用した記事にも見られるルームエアコンなどの家庭用耐久財が0.06%、などといった寄与を示しています。
消費者物価指数とはなんの関係もないながら、甲子園で繰り広げられている夏の高校野球が決勝を迎えています。郷土の代表である京都国際高校を応援しているのですが、なかなか得点できず息詰まる投手戦となっています。
がんばれ京都国際高校!
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