帝国データバンク「猛暑に関する企業の動向アンケート」やいかに?
先週木曜日の8月15日に、帝国データバンクから「猛暑に関する企業の動向アンケート」の結果が明らかにされています。基本的に、夏が暑くて冬が寒いと経済的には売上増などに結びつきやすくなります。しかし、他方で、暑すぎたり寒すぎたりすれば外出控えが生じる可能性もあり、おそらく、猛暑の経済効果は逆U字カーブを描くんではないかと私は想像しています。ということで、帝国データバンクのサイトから調査結果の概要を3点引用すると以下の通りです。
調査結果
- 猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスがある企業は11.4%。業界別では『小売』が3割でトップ
- 猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスは『エアコン・空調関連』が最多。『食品関連』も目立つ
- 企業の約9割が猛暑対策を実施。暑さ対策グッズの支給やクールビズ、設備・備品の充実も上位に
コンパクトによく取りまとめられている印象です。帝国データバンクのリポートから図表を引用しつつ、簡単に取り上げておきたいと思います。
まず、帝国データバンクのリポートから 猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスの有無 のグラフを引用すると上の通りです。10%余りの企業で猛暑効果があると回答し、特に、猛暑効果のある業界としては、小売が30.5%でトップ、次いで卸売が20.1%という結果が示されています。まあ、当然だろうと私は受け止めています。
続いて、帝国データバンクのリポートから 猛暑で売り上げが伸びた商品・サービスの共起ネットワーク図 を引用すると上の通りです。「エアコン」や「清涼飲料水」が大きなハブになっているのが見て取れます。当然でしょう。また、グラフなどは引用しませんが、企業における猛暑対策についてもアンケートに含まれており、複数回答可の中で、「健康状態の把握」が47.9%でトップとなったほか、次いで「水分・塩分補給品や冷却商品の支給」が46.1%、「クールビズの実践(制服や作業服の変更などを含む)」が44.0%、「扇風機やサーキュレーターの活用」が43.3%と40%を超える回答となっています。こういった何らかの猛暑対策を行っている企業は89.7%を占めています。
繰り返しになりますが、猛暑をはじめとして夏が暑くて冬が寒いのは、それ自体として経済効果があると考えられますが、それも一定の限度内のお話で、気温と経済効果の関係は逆U字カーブの非線形であろうと私は想像しています。今年のような猛暑が続けば、逆U字カーブの減少局面に入りかねません。気候変動対策のいっそうの強化が必要です。
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