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2024年8月29日 (木)

8月の消費者態度指数は前月から横ばいで足踏み続く

本日、内閣府から8月の消費者態度指数が公表されています。8月統計では、前月比横ばいの36.7を記録しています。まず、ロイターのサイトから統計のヘッドラインを報じる記事を引用すると以下の通りです。

消費者態度指数8月は前月比横ばいの36.7=内閣府
内閣府が29日に発表した8月消費動向調査によると、消費者態度指数(2人以上の世帯・季節調整値)は前月から横ばいの36.7だった。
内閣府は消費者態度指数の基調判断を「改善に足踏みがみられる」で据え置いた。
同指数を構成する4つの指標のうち、耐久消費財の買い時判断(前月比0.9ポイント増)と暮らし向き(同0.2ポイント増)が改善、収入の増え方(同0.7ポイント減)と雇用環境(同0.6ポイント減)が悪化した。
資産価値に関する意識指標は前月比5.3ポイント低下の40.0となり、コロナ禍初期の2020年3月以来のマイナス幅となった。8月はじめの急激な株安が影響した可能性があるとしている。
1年後の物価が上昇するとの回答は92.1%と7月の93.2%から低下した。特に物価が5%以上上昇するとの見通しが減少した。
2022年2月以来上昇するとの回答が9割を超えているが、2カ月連続のマイナスとなった。宿泊料金の値下げや台風による支出抑制などに影響された可能性があると内閣府はみている。

的確に取りまとめられた記事だという気がします。続いて、消費者態度指数のグラフは下の通りです。ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。影を付けた部分は景気後退期となっています。

photo

消費者態度指数は今後半年間の見通しについて質問するものであり、4項目の消費者意識指標から成っています。8月統計では、引用した記事にある通り、前月からすべての指標において下降しており、「耐久消費財の買い時判断」が+0.9ポイント上昇して30.9、「暮らし向き」が+0.2ポイント上昇して34.7となった一方で、「収入の増え方」が▲0.7ポイント低下し39.7、「雇用環境」も▲0.6ポイント低下し41.4となっています。消費者態度指数は、昨年2023年10月統計から6か月連続の上昇を記録した後、4-5月統計では2か月連続で低下し、その後、6-7月統計では逆に2か月連続で上昇した後、8月統計では前月比横ばいでした。引用した記事にもある通り、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「改善に足踏みがみられる」へと下方修正しています。5月統計で下方修正されてから4か月連続での「足踏み」です。年度始まりで物価改定が集中した4月、それに続く5月の2か月で大きく低下した後、まさに足踏みが続いています。
注目すべきは、引用した記事にもある通り、インフレを見込む割合が低下している点です。すなわち、物価上昇を見込む割合は、昨年2023年12月の91.6%を底に6月統計まで上昇を続け、6月に93.8%を記録した後、7月93.2%、直近の8月92.1%とジワジワと低下しています。もちろん、まだ90%を超えており、高い比率で物価上昇を見込む結果に変わりありません。ており、直近の2024年5月統計では93.5%に達しています。8月13日に公表された日本経済研究センターのESPフォーキャストに示されたエコノミストの見方でも、消費者物価上昇率は今年2024年7~9月期に+2.55%でピークとなり、その後も高止まりを続け、来年2025年4~6月期でも日銀物価目標をやや上回る+2.22%、2025年7~9月期になってようやく+2%を下回る+1.92%まで上昇率が縮小すると予想されており、しばらくは日銀の物価目標を上回るインフレが続く見込みです。したがって、消費者マインドもいくぶんなりとも物価に連動する時期がしばらく続く可能性が十分あります。

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