今夏の論文の推計を終える
大学に再就職してから、夏休みに1本だけ書く論文、今年のタイトルは "Estimating Output Gap in Japan: A Latent Variable Approach" と考えていますが、その論文のメインをなす推計を終えました。上の通りです。
何をやっているかというと、インフレ率とGDPの観測されたデータを基に、オークン係数やフィリップス曲線などを組み合わせて、産出ギャップ=GDPギャップを推計しようとするものです。産出ギャップは統計として把握できず観測不能とはいうものの、我が国でも内閣府や日銀などの権威ある機関が計算して四半期ごとに明らかにしていますので、たぶん、そんなデータを私が推計しても誰も有り難くも何ともないのでしょうが、まあ、そこは学術論文です。実用的であることはそれほど求められません。
ということで、先週金曜日までにデータを集めてプログラムを組んで推計した結果が上の通りです。内閣府の推計による試算結果と並べてプロットしています。リーマン・ショックの際やコロナ禍の府のGDPギャップの負の底など、少なくともタイミングとしてはいいセンで推計できているのですが、正負どちらも動きがやや大げさです。産出ギャップなんて、せいぜいが±5%であって、私の推計結果のように2ケタを超えるのはやや怪しいと感じます。イタラティブに最尤法で解いていますので、もう少し初期値を変えたりして推計し直すこともできなくはありません。あるいは、いろいろといいわけして正面突破を図るか、明日から考えます。このまま推計し直さないとすれば、今週中には論文として完成できると思います。
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