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2024年11月 7日 (木)

連合総研「勤労者短観」に見る賃上げと物価上昇やいかに?

先週木曜日の10月31日に連合総研から10月調査の「第48回勤労者短観」のうちの首都圏・関西圏版分析結果が明らかにされています。全国版の分析結果は12月上旬になる予定とのことですが、そろそろ春闘での賃上げの実感が判るのではないかと注目しました。まず、リポートから定点観測調査に関する調査結果のポイントを3点引用すると以下の通りです。

調査結果のポイント
  • 1年前と比べた景気認識は4期ぶりに悪化【図表Ⅰ - 1】
  • 1 年前と比べて物価は上がったとの認識は高い水準で推移【図表Ⅰ - 3】
  • 賃金の増加幅が物価上昇幅より大きいと回答した割合は、依然として7.9%と低水準にとどまる【図表Ⅰ - 5】

続いて、関心事項である賃上げとインフレの関係、すなわち、調査結果のポイントの第3番目の点について、リポートから図表Ⅰ-5 1年前と比較した賃金収入の変動幅と物価上昇幅の差 を引用すると以下の通りです。

photo

それぞれの棒グラフの左端の黒い部分が賃金の増加幅が物価上昇幅より大きいと回答した割合を示しています。物価上昇よりも大きな賃上げを勝ち取ったと感じている割合は、そもそも10%に満たないほど少なくなっています。逆にいえば、インフレによる物価上昇の方が賃上げよりも大きいと感じている割合が過半となっています。賃上げが物価上昇に追いついていないわけですから、すなわち、実感として生活が苦しくなっている、と感じていることになります。ただし、いくつかのグループで見ると、例えば、非正社員よりも正社員の方が物価上昇よりも賃上げの方が大きかったと感じている割合は高くなっていますし、同様に、20代の若手から30代や40代の中堅層が50代以降のベテラン層よりも賃上げの実感があるように見えます。ただ、繰り返しになりますが、賃上げが物価上昇に追いついていない、という受止め、というか、印象が、逆の印象よりも圧倒的に大きくなっています。

さて、人口減少社会に入って人手不足が問題となっている中で、また、物価が上昇している中で、どうして賃上げがここまで進まないのでしょうか。大きな謎です。

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