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2024年11月25日 (月)

AERA「『専業主婦願望はゼロ』 幼いころうんざりした父親の言動」に見る女子学生の希望する世帯のスタイルやキャリアプラン・ライフプランやいかに?

11月25日付けのAERAの記事「『専業主婦願望はゼロ』 幼いころうんざりした父親の言動」を拝読しました。私の勤務校である立命館大学経済学部には、たぶん、30%から40%近い比率で大学・大学院とも女子が在学しているんではないかと見ています。しかるに、なぜか私のゼミにはほとんど女子が来てくれないのですが、ゼミだけではなく、もっと女子の比率が高いであろう文学部の授業も担当していたりしますので、少し興味を持って見ていました。

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上はAERAのサイトから 女子学生が希望する世帯スタイル と題するグラフを引用しています。2016年卒も2024年卒も共働き世帯を希望する割合がほぼほぼ75%あり、¾の卒業生が共働きを希望していることが読み取れます。実は、今年2024年版の「男女共同参画白書」の冒頭p.5に 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移 と題するグラフがあり、2023年時点で妻が64歳以下の世帯において、雇用者の共働き世帯が1,206万世帯に上るのに対して、男性雇用者と無業の妻から成る世帯、いわゆる専業主婦のいる世帯は404万世帯に過ぎません。大雑把に¾の世帯が共働きということで、実に整合的な統計となっています。AERAの記事では総務省統計局による労働力調査を引いて、「働き世帯は1278万世帯、専業主婦世帯は517万世帯」としていて、ビミョーに数字が違っているものの、大きな違いはありません。それはともかく、女性の社会進出が進み仕事と家庭を両立しやすくなっているという背景は無視できないとはいえ、男女ともに学生が希望する世帯のスタイルやキャリアプラン・ライフプランが大きく多様化した今となっては、かつての寿退職や専業主婦という存在が現在の学生諸君には希薄なわけで、日本経済を授業で教える際にも十分な配慮が必要か、と考える今日このごろです。

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コメント

娘を見ておりますと、完全に75%の分類にはいりますね。しかし、離婚しちゃいましたが。息子のほうはといえば、このような共働き家庭を築けるのか不安なところがあります。努力をしないとやっていけないでしょう。

投稿: kincyan | 2024年11月25日 (月) 11時10分

>kincyanさん
>
>娘を見ておりますと、完全に75%の分類にはいりますね。しかし、離婚しちゃいましたが。息子のほうはといえば、このような共働き家庭を築けるのか不安なところがあります。努力をしないとやっていけないでしょう。

いや、まったくです。我が家の子供達も結婚する気配すらありませんが、相手次第で共働きになる確率が専業主婦の3倍あるわけですから、ともに努力が必要でしょう。ただ、平均的に考えて、我が家の子供達は平均以上の努力が必要かもしれません。このAERA記事ではありませんが、悪い父親を見て育っている可能性が高いと思いますから...

投稿: ポケモンおとうさん | 2024年11月25日 (月) 11時29分

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