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2024年11月28日 (木)

リクルートによる10月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給やいかに?

明日11月29日の雇用統計の公表を前に、ごく簡単に、リクルートによる3月のアルバイト・パートと派遣スタッフの募集時平均時給の調査結果を取り上げておきたいと思います。参照しているリポートは以下の通りです。計数は正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、以下の出典に直接当たって引用するようお願いします。

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いつものグラフは上の通りです。アルバイト・パートの募集時平均時給の方は、前年同月比で見て、6月+2.0%増とやや上昇幅が縮小していたのですが、7月には+2.6%増の後、直近で利用可能な8月には+2.9%増から少しずつ上昇幅を拡大して、本日の10月統計では+3.0%増となりました。先週11月22日に公表された消費者物価指数(CPI)上昇率が10月統計でヘッドライン、生鮮食品を除くコアともに+2.3%でしたから、アルバイト・パートの賃金上昇は物価上昇をやや上回った、と考えています。募集時平均時給の水準そのものは、2021年年央からコンスタントに1,100円を上回る水準が続いており、今年2024年10月で1,200円に達したわけで、現在、報じられている最低賃金と比較しても、かなり堅調な動きを示しています。他方、派遣スタッフ募集時平均時給の方は、8月+1.5%増、9月+3.1%増に続いて、10月は+1.4%増と、まずまず底堅い動きながら、CPI上昇率には追いついていません。アルバイト・パートの時給の方今年2024年に入ってから横ばいだったのですが、10月からの最低賃金の施行とともに、少し上向く結果となりました。
三大都市圏全体のアルバイト・パートの平均時給の前年同月比上昇率は、繰り返しになりますが、10月には前年同月より+3.0%、前年同月よりも+35円増加の1,212円を記録しています。職種別では前年同月と比べて伸びの大きい順に、「フード系」(+43円、+3.8%)、「製造・物流・清掃系」(+42円、+3.6%)と「販売・サービス系」(+41円、+3.6%)、まで平均よりも高い伸びを示していて、「事務系」(+20円、+1.6%)、「営業系」(+19円、+1.6%)、「専門職系」(+15円、+1.1%)は伸び率は小さいものの、すべての職種で前年同月比プラスとなっています。また、地域別でも関東・東海・関西のすべての三大都市圏で前年同月比プラスとなっています。
続いて、三大都市圏全体の派遣スタッフの平均時給は、10月には前年同月より+1.4%、+23円増加の1,643円となりました。職種別では、「オフィスワーク系」(+49円、+3.1%)、「医療介護・教育系」(+28円、+1.9%)、「製造・物流・清掃系」(+21円、+1.5%)、の3業種は前年比でプラスの伸びを示しましたが、「営業・販売・サービス系」(▲8円、▲0.5%)と「クリエイティブ系」(▲9円、▲0.5%)、「IT・技術系」(▲77円、▲3.4%)、は減少を示しています。なお、地域別では関東・東海・関西のすべての三大都市圏でプラスとなっています。

アルバイト・パートや派遣スタッフなどの非正規雇用は、私なんかは授業では正規雇用に比較して不利な点が3点ある、と指摘しています。すなわち、低賃金労働であるとともに、「雇用の調整弁」のような不安定な役回りを演じてきた上に、正規雇用職員に比べて教育訓練の機会が少なくなっています。リクルートの調査では賃金しか把握できませんが、直近で利用可能な10月統計で見ると、やっぱり、派遣社員の時給引上げ率は消費者物価上昇率に届いていない、という結果です。

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